かあさんの歌
作詞・作曲 窪田 聡(1956年2月作)
歌・ダーク・ダックス
倍賞 千恵子

英訳・山岸勝榮© 

My Dear Old Mom's Song
Japanese Lyrics and Music by KUBOTA Satoshi
Song by THE DARK DUCKS / BAISHO Chieko
Translation by YAMAGISHI Katsuei
©

無断引用禁止
英訳を引用する場合は必ず英訳者の氏名を明記してください。

商用利用禁止。商用利用の場合、英訳者との事前の合意が必要です。

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C
opyright (C) YAMAGISHI, Katsuei
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英訳にあたっては、窪田 聡様よりそのご許可をいただきました。その際、一般に流布されている「かあさん…」は「かあさん…」が
原詞にあるものであり、3、4行目の
“ ”で囲まれた箇所は、親から子への手紙の文面であるとのお知らせいただきました。


こちらに倍賞千恵子による「かあさんの歌」があります【右クリックで「新しいウインドウで開く」で視聴】。
こちらでは宗次郎による「かあさの歌」の美しいオカリナ演奏が聴けます。




かあさんは夜なべをして
手袋編んでくれた
“木枯らし吹いちゃ冷たかろうて
せっせと編んだだよ”
ふるさとの便りは届く
いろりの匂いがした



かあさんは麻糸つむぐ
一日つむぐ
“おとうは土間で藁打ち仕事
お前もがんばれよ”
ふるさとの冬はさみしい
せめてラジオ聞かせた



かあさんのあかぎれ痛い
生味噌をすりこむ
“根雪もとけりゃもうすぐ春だで
畑が待ってるよ”
小川のせせらぎが聞こえる
懐かしさがしみとおる

懐かしさがしみとおる




My dear old mom worked at night
 and knitted me a pair of gloves.
“I worked hard on them, in case you are cold
 when the winter wind blows so hard.”
The letter from home carried the smell
 of the old sunken fireplace back home.



My dear old mom spins hemp thread;
 she spins it all day long.
“Dad's beating a bundle of straw in the dirt-floor room;
he joins me in wishing you luck. ”
Winter up north is so cold and so dreary;
  I just want to send a radio for them.



My dear old mom's hands are painfully chapped;
 she rubs miso-cream on them.
“It will be spring again when the snow melts away,
 and the fields will be waiting for us.”
I can hear the snow-fed stream murmuring.
How I miss them and how I long for them!




無断引用禁止
Copyright (C) YAMAGISHI, Katsuei


以下の文章は私のゼミの特修生で大学院博士前期課程1年生の大塚孝一君の手になるものです。
興味深い比較ですので、同君の了解を得て、転載します。


山岸勝榮教授
 今回は「かあさんの歌」における山岸教授の御訳とIrwin氏の訳を比較します。Yahooボックスの「共有」フォルダに「訳比較 14 かあさんの歌」がございます。ご覧ください【本稿末尾にpdfを転載;山岸】。

【原詞に表れていないことを英訳する】

 山岸教授の御訳“My Dear Old Mom's Song”は、原詞「かあさんの歌」に極めて忠実であります。しかし、その中でも原詞には表れていないことを英訳なさっているところが数カ所ございます。例えば、題名の御訳でありますMy Dear Old Mom's SongにおけるMy Dear Oldです。当然、原詞を読めば歌われている「かあさん」は「自分の母」であることは明確です。そして、母に対してdearという感情を抱くことも至極当然のことです。さらに、この歌を日本人が聞けば、ほとんどの日本人が「年老いたかあさん」を思い浮かべるでしょう。つまり、My Dear Oldという表現は原詞「かあさん」が持っているニュアンスを忠実に表現した語であるということが分かります。
 別の例では、2番の最終行にありますsendも、厳密には、原詞に表されていないものと言えます。「聞かせたい」という日本語から、want to let A Bという言い方を思いつくかもしれませんが、この歌詞の英訳としては不適切であると言えます。なぜなら、letは許可を与えるというニュアンスがあるからです。「ラジオを聞かせる」という行為は別に許可を与えるか否かの問題ではありません。この場合の「聞かせたい」は、「両親の心が少しでも温かくなるように、ラジオか何かを『送って』、聞いてもらいたい」という意味です。
 このように、山岸教授の御訳には、一見すると原詞には忠実ではない英語があるようにも見えますが、決してそうではありません。日本語の深い理解が、適切な訳語を選ぶ第一歩ということが言えます。
 一方のIrwin氏は、いつものように氏独特の視点が英訳に含まれています。特に押韻については、今回の英訳でも多くの脚韻が見られます。
また、氏の英訳の中心は「母の手」であることが、題を含めた訳語を通して認識できます。氏はこちらのサイト(http://www.edu.dhc.co.jp/fun_study/kotonoha/kotonoha_006/)にて、「母のことを思うとまず思い浮かべるのが、母の働く手だからです。」と述べています。個人的な想いが強く反映された英訳ということが言えます。

【日本的な表現の訳出】

@「がんばれよ」
 「がんばる」という日本語にぴったり当てはまる英語はありません。加えて、多義なため、その都度状況に合わせて英語を考える必要があります(『スーパーアンカー和英辞典 第3版』 pp.349)。山岸教授は「がんばれよ」をwishing you luckとお訳しになっています。luckという語をお選びになり、「がんばる」という概念を表現なさっています。例えば、「期末テストがんばってね」は英語で、Good luck on your final.などとなります。山岸教授がお訳しになったwishing you luckは英語母語話者にも通じるものです。そして、相手の成功を願う際に言うGood luckは英語を母語としていない英語学習者もよく使う表現です。よって彼らにも十二分に伝わる御訳であるということが言えます。
 一方、Irwin氏は「がんばる」をmake us proud of youと訳しています。個人的にはこのproudが非常に英語的と感じます。同時に、このmakeも日本人英語学習者にはなかなか使えない極めて英語的な表現であると考えます。
A「生味噌をすりこむ」
 「生味噌をすりこむ」という表現の解釈に関しましては、山岸教授がブログ(http://blog.livedoor.jp/yamakatsuei/search?q=%C0%B8%CC%A3%C1%B9)にてお書きになっているとおり、あかぎれなどによる痛みを緩和させるための一種の治療行為と考えられます。山岸教授は「生味噌をすりこむ」をrub miso-creamと訳されています。味噌はクリーム状のものであります。そして、ハンドクリームやフェイスクリームなどのような「クリーム」は乾燥などを防ぐ一種の薬用品と考えてよいものです。つまり、山岸教授のmiso-creamという御訳は、いわゆる「掛詞」になっているということが言えます。
 それに対してIrwin氏は「生味噌をすりこむ」を訳出していません。日本語が堪能なIrwin氏です。あくまでも憶測ですが、「生味噌をすり込む」という行動の意味は分かっていたものの、氏の訳に与える印象にそぐわないため、訳出することを避けたのかも知れません。
B「懐かしさ」
 わたくしが以前取り組みました研究「故郷(ふるさと)」の英訳比較におきまして、「懐かしい」「懐かしさ」という日本語は英語にぴったりの表現がないということを述べました。その日本語を山岸教授はmiss、long forという語にお訳しになっています。「故郷」にも同様の表現が見られました。
 一方のIrwin氏の訳には、「生味噌をすりこむ」の場合と同様に、訳出がなされていません。英語を母語とする人が日本的な表現をどのように英語にするかということは非常に興味があるだけに、個人的には、訳出がなされていないことには非常に残念に思います。

【小考察】
 翻訳には限界があります。ある言語文化を別の言語文化に等価的に移し換えることは可能である場合とそうではない場合があります。今回の「かあさんの歌」では、極めて日本的と言える表現がいくつか出てきました。山岸教授はそれらを近似値の英語でお訳しになっているということが言えます。実行できないまでも、そういう事実はゼミ生が認識すべき点です。一方のIrwin氏は残念なことに、日本的な表現を訳してはいませんでした。日本語能力にはまず問題のない氏でしょうから、個人的にはこのような日本的な表現こそを英語に訳してもらいたいと思います。
 このように訳を比較することによって、日英の発想法の違いを感じることができます。同時に、特修生としてゼミに参加をさせていただき、実際に日本の歌の英訳に取り組んでいる者としましては、原詞の日本語を確実に理解すること、そしてそれを正しい英語で表すことの重要さを改めて認識いたしております。現在は後期第一回の授業における課題曲「城ヶ島の雨」に取り組んでおります。これまで以上に歌詞の理解に苦しんでおります。英語にすぐ訳すのでは無く、多くの時間を費やして日本語を理解することに重点を置いて取り組んでまいります。

 平成25[2013]年年9月16日
              大塚 孝一

「かあさんの歌」pdf


「四季の歌」 「惜別の歌」 「上を向いて歩こう」 「遠くへ行きたい」    「星影のワルツ」 「赤い靴」
「見上げてごらん夜の星を」 英語教育の一環としての「演歌」の翻訳
― METSでの実践
明海大学学歌
「よろこび」
「七つの子」 「浜千鳥」
「証城寺の狸ばやし」 「春が来た」 「春の小川」 「故 郷」 「こいのぼり」 「浜辺の歌」
「人を恋うる歌」 「坊がつる讃歌」 「夕焼け小焼け」 「さくら貝の歌」 「与 作」 「桃太郎」
「朧月夜」 「紅葉」 「早春賦」 「赤とんぼ」 「しゃぼん玉」 「われは海の子」 「仰げば尊し」




次に示すのは、本年度(2005年度、平成17年度)山岸ゼミ所属予定の2年生(新3年生)と昨年度の山岸ゼミ生(新4年生)が、ゼミ専用掲示板に書いた、拙訳「かあさんの歌」に対する感想文と、同君たちによる「かあさんの歌」の英訳です。添削前のものを10名分だけ、諸君の了解を得て転載します。


タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/16(Sat) 03:05
投稿者 :E.C.
先生の英訳された「かあさんの歌」と、私の英訳とを比較させていただき、気が付いた点、学ばせていただいた点を書き込ませていただきます。
 英訳を提出させていただいた際にも申し上げたのですが、私は「かあさんの歌」を英訳する以前に、「かあさんの歌」の日本語歌詞を正確に理解出来ませんでした。まず、「いろり」ですが、広辞苑で「いろり」という言葉を引いてみましたところ、「いろり」には「囲炉裏」と「色利・煎汁」とがあるということが分かりました。後者は、「かつおぶしまたは大豆を煎じた煮出し汁。煮物の調味に用いる。」と掲載されておりましたので、「いろり」とはどちらのことを表しているのか判断がつかず、苦戦致しました。また、「おとうは土間で藁打ち仕事」という歌詞は、「藁打ち」がどのような仕事であるか存じませんでしたので、どのように表現すべきか悩みました。「かあさんのあかぎれ痛い 生味噌をすりこむ」という歌詞につきましては、「あかぎれに生味噌をすりこむ」という慣習を存じませんでしたので、「(漬物などに)味噌をすりこむという仕事を毎日行っているために、手にあかぎれができてしまった」と解釈致しておりました。先生の御訳を拝読させていただき、本来の意味を学ばせていただきました。
 また、特に頭を悩ませましたのは、「かあさん」を英語でどのように表現すべきかということです。以前先生に、「女房」を英語で表現するには、“wife”よりも、“one's old woman”のほうが感じが出るとお教えいただきましたので、「かあさん」も“mother”より本来の意味合いに近いものがあるのではないかと考えました。そこで私は“mom”と表現致しましたが、先生は“my dear old mom”と表現されていらっしゃいました。“dear”や“old”は、主人公の母親に対する深い愛情を表しているのではないかと思います。
 また、「いろり」は本来日本特有のものですので、“fire place”と表しましても、英語圏の方々にはイメージ出来ないのではないかと考え、私の英訳では“irori”とローマ字で表記致しました。しかし、そのように表現しましても、英語圏の方々にとっては、何を表しているのか分からないことには変わりありませんでした。先生の“the old sunken fire place”という説明的な英訳を拝見致し、歌詞をそのまま訳しただけでは、英語圏の方々には何も伝わらないのだという事を、改めて感じました。
 今回「かあさんの歌」を英訳し、日本人であるにもかかわらず、日本の歌を理解することができないということは、悲しく、情けないことであると、強く感じました。私が幼い頃には、「かあさんの歌」を耳にする機会もございました。祖母が歌ってくれたためです。しかし、最近では子供に「かあさんの歌」を歌って聞かせてあげることの出来る母親は、おそらくほとんどいないのではなないでしょうか。今回、先生が機会をお与えくださり、改めて、母国の歌を愛する気持ちを大切にしたいと思いました。私は親元を離れ、母と離れて暮らしておりますが、「かあさんの歌」を聞きますと、幼かった時分の母との思い出が胸を過ぎり、切なく懐かしい気持ちになります。私も、将来子供を持ちました際には、「かあさんの歌」や、日本の歌を歌って聞かせてあげたいと思います。
 また、日本の素晴らしい歌の数々を、海外の方々に伝えることが出来る英訳が出来ますように、語学だけではなく、日本文化や英語圏文化を学んで参ります。今後とも、ご指導を宜しくお願い申し上げます。
“The Mother's Song”

Mom knitted a pair of gloves for me till late
“The wind is blowing and it makes your hands cold
so I made this earnestly”
The letter from mom smells of irori
and it carry me back to my home

Mom's spining hemp into threads
spinning all day long
“Dad is working with straw at the earth floor
I hope you work hard like him”
In winter my home is so lonely
I want to send them a radio at least

Mom's hands are chapped from working
working with miso
“The snow melt away then spring will come
so we'll start to work in the field”
I can hear the murmur of a stream
I long for my dear old home

タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/17(Sun) 17:02
投稿者 S.K.
 山岸先生が英訳なさった「かあさんの歌」を拝読させていただき、気づいたことや感想を書き込ませていただきます。
 まず、「かあさん」ですが、私は何も考えずにただ「mom」と訳しましたが、先生は「My dear old mom」と訳していらっしゃいます。この「かあさんの歌」では子供を大切に思っている母親のことを歌っておりますので、先生がなさった御訳は、かあさんをみごとに表現していらっしゃると感じました。次に「いろり」です。このいろりという言葉に直面したときに、昔話の絵本などで出ているいろりを想像致しましたが、実際に英訳するというのは大変困難であると感じました。辞書どおりに「fireplace」と訳しても、欧米圏の暖炉というのは、壁に接してあるものであり、いろりは床に備え付けられているものであり、と違いを表そうと思ったのですが、考えが浮かばず「Irori, Japanese fireplace」と訳しました。しかしこれでは、いろりというものがどんなものなのかは全く伝わらないと感じました。先生がなさった御訳「the old sunken fireplace」はいろりがどんなものであるかを適切に表現していらっしゃると感じました。また、先生が御訳なさった「a bundle of straw」も藁の様子を適切に表現していらっしゃると感じました。次に「お前もがんばれよ」です。私は「お前もおとうのようにがんばれよ」と解釈しておりましたが、山岸先生の御訳を拝読いたしますと「he joins me in wishing you luck」と英訳なさっていらっしゃり、私の日本語の読解力が不足していることを痛感致しました。次に「生味噌」です。私は「raw miso」と直訳してしまいましたが、先生は「miso-cream」と英訳していらっしゃいます。日本のことを少し知っている欧米圏の方は味噌のことを知っていると思われますが、大体がmiso soupを想像するのではないかと存じます。ですので先生が御訳なさった、手に塗るものとしての味噌という御訳には大変感銘を受けました。そして「小川のせせらぎが聞こえる」ですが、私の訳ですと空想観が否めない訳になってしまい、誤訳であったのではないかと存じます。「懐かしさがしみとおる」のところでは先生は「How I miss them and how I long for them!」と御訳なさっておられ、主人公の気持ちをみごとにお伝えになっていらっしゃり、感動致しました。
 今回、先生が英訳なさった「かあさんの歌」を拝読させていただき、大変勉強になりました。特に、英訳するときに直訳してしまうと、文字には表れない言葉、その言葉を補って英訳しないと意味が伝わらないということを学ばさせていただきました。私は日本語の知識が不足しており、この歌詞の解釈をきちんとできておりませんでした。今後とも母語である日本語を一所懸命に学習して参りますので、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
    My mom stayed up all night knitting a pair of gloves for me,
    thinking, “The wind would be so cold up there, so I knitted a pair of gloves for you.”
    I received a letter from my family which gave me a smell of Irori, Japanese fireplace.

    My mom spins and spins hemp into threads all the day,
    thinking, “Dad beats straw on the earth floor, so hang in there like dad, son.”
    My home is in silence of winter. I want to give my family at least a radio to enjoy.

    My mom is sore with her chapped hands, so she rubs her hands with raw miso, thinking, “The snows here are about
    to melt out and spring is coming around. It is about time that we worked in the field.”
    I'm made to feel as if I heard the murmur of the stream and miss hometown.


タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/17(Sun) 02:28
投稿者 H.Y.
「かあさんの歌」の英訳を拝見致しました。先生の御訳を拝見させていただき、学ばせていただきましたことを書き込ませていただきます。
 私は、「いろり」や「藁打ち仕事」という言葉の意味を正確には存じておりませんでしたので、日本語と日本文化の知識が不足していると痛感致しました。また、私は日本文化を知らない方々の立場に立って考えるということをせずに、安易に英訳を致してしまい、「かあさんの歌」の世界をきちんと伝えることができませんでした。私は「いろり」という言葉を辞書の通りに“hearth”という言葉で表現致しましたが、自分自身が理解していない言葉を簡単に辞書の通りに訳してしまいましたことを、反省致しております。先生は「いろり」を“the old sunken fireplace”と訳されていらっしゃいます。私は山岸先生の御訳を拝見させていただき、日本独特の家の中の風景を思い出し、そこから温かく懐かしい匂いを感じました。「藁打ち仕事」に関しましても、私はそれがどういう動作であり、どういう仕事であるのか存じておりませんでしたので、藁を「打つ」ことを表す動詞をどのような英語を使って訳すべきであるのか大変困惑致しました。最終的には私も山岸先生と同様に“beating”と訳させていただきましたが、辞書で「打つ」を調べましても“strike”や“hit”を始めとしてたくさんの言葉が載っており、人をたたく、または殴るなどの内容の言葉も多くありましたので、「打つ」という言葉を訳すことに大変苦戦致しました。
 また、「ふるさとの冬はさみしい」という箇所では、私は「ひっそりとした」「静かな」という意味で考え、その言葉が当てはまるのではないかと思い、“quiet”と訳しましたが、辞書によりますと“quiet”には「安らかな」、「ゆったりとした」という意味もありますので、ここでは“quiet”は不適切でした。山岸先生は“dreary”と訳されていらっしゃいます。私はこの単語を存じておりませんでしたので、単語力の不足を痛感致しました。“dreary”は「わびしい」「もの寂しい」という意味があることを学ばせていただきました。主人公が思い描くふるさとの寒く、静かな風景と、「せめてラジオ聞かせたい」と思う主人公の両親への切ない思いを私も感じることができました。
 また、私はメロディーに歌詞を合わせる事がなかなかできず、私の英訳ではリズム通りに歌うことができないように思います。今回「かあさんの歌」を英訳致しまして、歌を訳すことの難しさを感じました。
 山岸先生のように素晴らしい訳出ができますように、言語と共に日本文化も学んで参りますので、今後ともご指導をよろしくお願い申し上げます。

My mom knitted gloves for me
She knitted it all night long
“In a cold winter wind, you have a chill in your hands,
So I made it away.”
The letter from home arrived
I felt the scent of my home hearth

My mom spins hemp thread
She spins it all day long
“In the earth floor your dad, is beating straw
Do your best my dear, too”
The winter in home is quiet
I want to give them a radio

My mom is suffering from kibe
She rubs her hands with miso
“When lingering snows melt, spring will come here soon
And the fields is waiting for us
I heard the murmur of a stream
I fell the good old days 


タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/17(Sun) 02:10
投稿者 I.Y.
山岸先生が英訳なさった「かあさんの歌」を拝読させていただき、気付いたことや感じたこと、私の訳文の中の誤訳などを書き込ませていただきます。
 私は「かあさん」「おとう」を何と訳して良いか悩んだ末に、単純に‘Mother’‘Father’と訳してしまいました。しかし、山岸先生の御訳は‘dear old mom’‘dad’となっており、とても温かみが感じられ、両親への深い愛情が伝わって参りました。私は‘mom’‘dad’は「ママ」「パパ」に相当するという先入観があり「かあさん」「おとう」を‘mom’‘dad’と訳すという発想がございませんでしたが、‘mother’‘father’よりも‘mom’‘dad’の方がより温かみが感じられ、自分の発想の堅さを実感致しました。
 「いろり」につきましては、私はそのまま‘irori’と訳してしまいましたが、山岸先生の御訳は‘old sunken fireplace’となっており、「いろり」の特徴を限られた語数の中でしっかりと表現なさっておられましたので、とても勉強になりました。日本にしか存在しないものを訳す際には、その特徴を伝えることがとても重要なのだと改めて感じております。
 私は2番の歌詞の「おとうは土間で藁打ち仕事 お前もがんばれよ」という部分の意味を「お父さんは藁打ち仕事に精を出しています。あなたもお父さんのようにしっかりと働きなさい」という意味であると誤解しておりました。山岸先生の御訳を拝読させていただいて初めて、歌詞の正しい意味を理解することが出来ました。日本語の読解力不足を実感致しました。 
 私は「生味噌」を訳す際に「生」の部分が気になってしまい‘raw miso’と訳してしまいましたが、「味噌」自体を知らない外国の方々には‘raw’を付けたところで‘miso’が何であるのかは理解できないことと思います。山岸先生の御訳では‘miso-cream’となっており、‘cream’「塗るもの」であることを読み取ることが出来ます。私はこのような表現を思いつくことが出来ませんでしたので、とても勉強になりました。今回の課題で、英語圏の方々が聞いても理解出来るように訳すということの難しさを実感致しましたが、今回の「かあさんの歌」の英訳はとても楽しい作業でもありました。私は日本語を母語とする身でありながら、少しでも時代や言葉遣いが異なると、その言葉の本来の意味を理解することが出来なくなってしまいます。日本語の語感と共に母国についての知識も今以上に学ばなければならないと実感致しました。
 今回「かあさんの歌」の山岸先生の御訳を拝読させていただき、一つひとつの言葉に含まれる意味を理解することの大切さを学ばせていただきましたが、まだまだ日本語に関する知識が不足しております。今後とも母国について学んで参りますので、ご指導をよろしくお願い申し上げます。

“The Mothers Song”

My mother was up all night to knit gloves for me.
“I know winter wind is too cold for you, so I knit them very hard”
When I got a letter from my home,
I feel like smelled home's irori.

My mother spin thread on a spinning wheel. she spinning all day long.
“Your father hitting straw at the earth floor. I hope you work hard like he”
My home's winter is forlorn one.
I want gift a radio at least.

My mother's chaps are hurting her, she rub raw miso onto chaps.
“After snow melting, spring has come. We will start farm works soon”
I can hear the murmur of a atream.
I'm filled with sweet memories at home.


タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/15(Fri) 14:30
投稿者 K.Y.
先生の御訳を拝読させていただきました。簡潔にまとまった御訳の中で、歌詞の持つ素晴らしさを表現されていらっしゃり、感動いたしました。
 歌詞の翻訳は、限られた文字数の中で内容を確実に伝えなければなりませんので、私の訳では余計な部分が多すぎるように感じました。T.K.さんも書き込んでおられましたが、私の訳も歌詞の内容を誤って解釈している部分が多く、これでは原文(歌詞)の素晴らしさが伝わらないと感じました。また、私は基本的な文法の知識や表現力など、多くのことが不足していると感じました。
 「かあさん」を「My dear old mom」と翻訳され、母への思いを表現されていらっしゃるところや、日本独自のものについて「the old sunken fireplace」、「miso-cream」と表現すればよいということ、「藁打ち仕事」を「Dad's beating a bundle of straw in the dirt-floor room」と訳出することなど、先生の御訳を拝読いたし、多くのことを学ばせていただきました。
 いつか、私にも先生のような素晴らしい翻訳ができますように、今後とも精進してまいりますので、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
”Song of Mother”

My mother worked at night and knitted wool into gloves for me.
“Dear my son, the cold wintry wind is biting cold. I’m worried about you might be cold. I knitted them with my whole heart.”
I heard from my home town.
I thought that it brings old familiar scent of irori fireplace.

My mother works all day long and spins hemp into yarn for a living.
“Dear my son, your dad works hard at dirt floor and he pounds straws for making straw work. I hope you’ll do your best.”
It is dreary in the winter of my home town.
It would have been nice at least that my parents could have listened to the radio.

My mother has a pain in the chappy hands. She rubs raw soybeans paste to her hands as home remedy.
“Dear my son, it will be spring soon. I will work on a field after a thaw.”
I thought that I heard melody of stream.
I’m tugged by memories of my sweet old home.

タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/11(Mon) 18:22
投稿者 K. A.
「母さんの歌」の英訳を拝見させていただきました。まさに、「母さん」がそこにいるかのように、情景がありありと、目に浮かぶように感じられました。私の英訳は内容が粗いように感じました。例えば、「藁を打つ」に関しては、山岸先生はbundleを付けて、情景を想像しやすくしておられましたが、私はただstrawと訳しただけでした。状況をわかりやすくすることで、こんなにも歌が生き生きとするものなのだなと、感じずにはいられませんでした。英訳の機会と、多くの発見の機会を与えてくださったことに、改めて感謝いたします。
Mamma sat in a front of the fireplace and knitted
my mitten all night
Mamma voiced, “You may feel cold winter wind,
so I knitted hard”
I got a letter from my home
I felt smell of my home’s fireplace

Mamma spins hemp thread day after day,
and spins thread all day
Mamma voiced, “Dad beats straw on earth floor,
so bear up like dad”
If there were a radio in my home,
they wouldn’t have be solitary in winter

Mamma’s hand are tormented with kibes,
and she rubs raw miso
Mamma voiced, “When lingering snows melted,
spring come and see fields”
When I picture the murmur of a stream
I feel deep good old memories

タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/12(Tue) 23:31
投稿者 S.M.
先生の英訳された「かあさんの歌」を拝見致しました。まず感じたのは、私の訳と比べて先生はとても詳しく描写なさっているということです。主に次の二点です。
「いろり」という言葉を訳す時、私はfireplace と訳しましたが、先生は the old sunken fireplace という風に訳していらっしゃいます。いろりはいまや日本でも珍しく、外国の方は実物を眼にすることはめったにないでしょう。そのとき、私のようにただfireplaceと訳してしまうと、西洋風の暖炉だと受け取られかねません。日本独自のものは気をつけて訳さねばならないと感じました。
「父さんは土間で藁打ち仕事」の部分も私は
> Father is hammering straw at dirt foor hardly
というように訳しましたが、先生は
Dad's beating a bundle of straw in the dirt-floor room
というように訳していらっしゃいます。私は「藁」をただstrawと訳しましたが、先生の訳を拝見して、ただstrawよりも a bundle of strawとした方が雰囲気が良いと感じました。なぜなら父さんは一本の藁を打っていたわけではなく、たくさんの藁をせっせと打っていたに違いないからです。

最後になりましたが、私の英訳の一行目を修正いたします。
> My mamma knitted a pair of my gloves working at nights
→My mother knitted a pair of my gloves working at nights

その他の箇所はMy motherと書き込んできましたのに、一行目のみ私の不注意でMy mammaとしてしまいました。
My mamma knitted a pair of my gloves working at nights
So cold winter wind was probably frozen your hands
I knitted them busily
The letter sent from my warmly family
brought the faint scent of a fireplace

My mother spun hemp into threads from morning till night
Father is hammering straw at dirt floor hardly
So you keep studying steadily
My hometown is quiet in winter
I wish I could be listened them a radio

My mother's hands were badly chapped
She rubbed miso her hands
When lingering snows melt, Spring will come soon
We will have to work in the field
I heard the murmur of a stream
It brought me back old good memories

タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/14(Thu) 22:32
投稿者 T.K.
先生の御訳と自分の訳とを比較致し、気がついた点を書き込ませていただきます。
 先生の御訳を拝読致した際にまず感じたことは、私の訳は歌詞の内容を誤って解釈している部分が多いということです。特に、「ふるさとの便りは届く いろりの匂いがした」、「ふるさとの冬はさみしい」、「生味噌をすりこむ」、「小川のせせらぎが聞こえる 懐かしさがしみとおる」という部分が、先生の御訳とは全く違っており、この歌の内容をきちんと伝えることができておりませんでした。また、冠詞の付け間違いも何箇所かございましたので、文法の勉強も、もっとしっかりと行わなければならないと思いました。
 先生の御訳には、私には思いつかないような素晴らしい表現が沢山ございましたので、大変勉強になりました。「the old sunken fireplace」や「miso-cream」というような日本ならではのものについての英訳はもちろんのこと、「he joins me in wishing you luck」や「It will be spring again when the snow melts away」、「I can hear the snow-fed stream murmuring」というような表現を拝見致し、歌詞をそのまま訳しただけではいけないということを改めて感じました。
 映画の字幕や歌の翻訳は、文字数が限られておりますので、限られた文字数の中で内容をきちんと伝えるには、様々な言葉や表現を知っていなければ、よい訳には仕上げられないと思います。先生のように、文化の違いをきちんと表現した上に、情景が思い浮かぶような素晴らしい訳出ができますように、今後とも語感を磨いて参りますので、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
“The Song of the Dear Mother”

My mother knitted a pair of gloves
Late into the night for me.
“In the cold winter wind,
Your hands will be chilled.
So I knitted gloves very hard for you.”
I had got a letter from my mother and I imagined
She was knitting beside the fireplace.

My mother spins the hemp into threads.
She spins it all day long.
“At the cold earth floor,
Your father is hitting the straw.
I want you to keep up your effort.”
In the lonely winter, nothing gives pleasure to my parents.
So I want to give them at least the radio.

My mother's hands are chapped from the cold.
But she does housework and miso stings her chaps.
“When the snow is thawing,
Spring will come soon.
Then we will work in the field. ”
I remember I heard the gentle murmur of a stream.
I think fondly of my dear old home.

タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/13(Wed) 23:41
投稿者 W.S.
こんばんは。山岸先生がご紹介くださった「かあさんの歌」の英訳を拝見させていただきました。
母親のことを、「My dear old mom 」とお書きになられたところが、この詩の主人公が母親に抱いている深い愛情を、みごとに英語で表現されていらしたので、たいへんに感銘を受けました。山岸先生の英訳には、主人公の母親に対する愛情だけでなく、母親がわが子を想う愛情までも鮮明に表現されていらっしゃると感じました。私の書いた英訳ですと、表現が不足していて、読んでいても全く感情移入しません。自分自身の英語力の無さを痛感致しました。最後になりましたが、私の不注意で「生味噌をすりこむ」という箇所の英訳が抜けていたことに気が付きました。たいへんに申し訳ございませんでした。
Mother spend the whole night in a hand-knitting my gloves.
When cold winter wind blow, you will feel cold, So, I was busily knitted.
The letter arrived by my parents.
Hearth's smell reminds me about my home.

Mother spin flax into threads all day long.
Your father is working for make a buckwheat.
Good luck with your life.
My home are desert in winter.
The least I want to give a radio for my parents.

Mother have a sore finger the cause of kibe.
When the snows begin to melt, spring will come soon.
When spring has come, I work in the fields.
I recalled the murmur of a stream.
My heart was full of my memory.

タイトル 山岸勝榮先生
投稿日 : 2005/04/14(Thu) 17:16
投稿者 I.M.
山岸先生の「かあさんの歌」の英訳を拝読致しました。山岸先生の英訳に比べて私の英訳は、非常に粗く、この曲に含まれる日本の情景を訳す事が出来ていませんでした。また、字余りの箇所が多く、歌うには困難を伴う英訳になっているように感じました。
 山岸先生が、「母さんの歌」の中で、生味噌という箇所を miso cream と訳されているのを拝見し、日本の文化を反映させた英訳の難しさを改めて痛感致しました。今回、「かあさんの歌」をご紹介くださり、まことにありがとうございました。今後とも、厳しいご指導を宜しくお願い致します。
“Dear My Mother”

My mother knitted me a pair of gloves working at night
“I have knitted it hard. 'cause you're frozening if the cold winter wind blew.”
I got the mail from my hometown, and recollected smell of Irori

My mother is spinning the hemp into thread all day
“Father is hitting straw beside an earth floor
Keep up your efforts.”
My hometown is quiet in winter, at least I'd be listened the sound of radio

My mother's hands were chapped
She applied the miso her hands
“Spring will soon arrive when lingering snows melt, and we'll work in the field.”
I heard the murmur of the stream and a good memories rushed into my mind

 【写真提供】