仰げば尊し
(Aogéba Tõtoshi)
作詞:不詳  作曲:不詳(cf. H. N. D.)
英訳:山岸勝榮
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With an Eternally Grateful Heart 
Lyrics: Unknown   Music: Unknown 
English Translation: YAMAGISHI, Katsuei
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こち らこちらでは宗次郎による美しいオカリナ演奏が聴けます。

mp3 仰げば尊し
(右クリック「新しいウインドウで開く」)

1.
仰げば 尊し 我が師の恩  
教えの庭にも はや 幾年
(いくとせ)  
思えば いと疾
(と)し この年月(としつき)  
今こそ 別れめ いざさらば 
 

How fast time flies, I can't believe how quickly the moments have passed    
The precious years have come and gone too soon, here with you   
I've learned from you the right way to do what must be done
Now is the time to say farewell, with an eternally grateful heart

2.
互いに睦(むつみ)し 日頃の恩  
別るる 後
(のち)にも やよ 忘るな  
身を立て 名をあげ やよ 励めよ 
 今こそ 別れめ いざさらば   

How close and deep our connection has continued to be
Let us always remember it even after we go out into the world   
And always throw out our chest and keep our head held high
Now is the time to say farewell, with an eternally grateful heart

3.
朝夕 馴
(な)れにし 学びの窓  
(ほたる)の ともしび 積む白雪(しらゆき)  
忘るる 間
(ま)ぞなき ゆく年月  
今こそ 別れめ いざさらば 
  

How hard I worked from dawn to dusk in the classroom with you   
Today I will go out to the world and make a difference there    
And will never forget all the wonderful things I have learned from you
Now is the time to say farewell, with an eternally grateful heart
With an eternally grateful heart


この歌を歌った65年も昔を思い出すような映画の1シーンです。→YouTube


無断引用・使用厳禁
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日本人の誰もが小学校で、中学校で、女学校で、卒業式に歌って来た懐かしい思い出の曲。敬愛して来た師友に対しては勿論のこと、あまり好きではなかった人に対しても、きょうが最後となると感傷的になり、涙とともに歌った人も多かった。歌詞・曲ともに優美で、巌谷大四氏・都はるみ氏など、思い出の歌の第一にあげており、堀内敬三氏も、明治唱歌ベストテンの一つに数えた。
 この曲の制作の事情は未詳で、ことに、曲が日本人の作か、外国からの借り物かもわかっていない。讃美歌の中にでもありそういな曲であるが、藤田圭雄氏、曲の旋律が「ガシノン」というように、第一節の歌詞のアクセントに対して非常に忠実に作られているところから、日本人の作曲だろうとにらんでいるが、慧眼だと思う。作曲をもし伊沢修二・上真行・奥好義の三人のうちとするならば、東京式のアクセントで話していたと見られる伊沢の作であろうか。もっとも、この曲は、奥が作曲したという「天長節」の歌と似た点がある。作詞については、大槻三好氏著『石原和三郎と明治唱歌抄』の中に、「明治十六年七月十五日回議書類」というものが引かれており、それによれば、大槻文彦・里見義・加部厳夫の合議による制作である。
 歌詞は「蛍の光」よりは平易であるが、今の生徒たちには難解で、「今こそ別れめ」のかかり結びは理解されず「今こそ別れ目」だと解するのが一般だというが、無理のないことである。「やよ励めよ」は「ハゲの奴め」の意味と解して、禿げ頭の校長を睨みつける悪童がいるというのは、笑い話であろう。歌詞は師に対する謝恩の気持と、同窓に対する惜別の気持と両方を詠んでいる。第一節の「わが師の恩」の「恩」は、めぐみの意であり、第二節の「日ごろの恩」の「恩」は愛情の意味と解される。なお、この歌の初句は、文語であるから「オオゲバ」と発音するのが正しいはずであるが、「アオゲバ」と広く歌われてしまっている。
 この歌は、明治二十九年の『新編教育唱歌集』(第八集)に採録されている。
                    ―金田一春彦・安西愛子編『日本の少尉か[上]』(講談社文庫、44-5頁)

「あおげば尊し」に原曲があった!
YouTubeに実際に歌われている場面を映したものがあります。(→こちら; こちらも参照)

「仰げば尊し」関連リンク
Wikipedia 仰げば尊し我が師の恩
「仰げば尊し」楽譜ダウンロード 旋律は時空を越えて
歌を音声で聴く 試論「身を立て名をあげ」の現在
シリーズ 日本の歌 「仰げば尊し」にまつわる心暖まる出来事
常識ぽてち (これ極論だと思います↓)
「仰げば尊し」を強制される事について

この曲は著作権消滅曲です。

参考
こちらに中国人歌手ジェイド・イン(Jade Yin)による美しい「仰げば尊し」があります。
こちらには台湾で歌い継がれている「仰げば尊し」の動画があります。


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英語教育の一環としての「演歌」の翻訳
― METSでの実践
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