. ニューアンカー和英辞典(1991年初版)

  私が初めて世に送った学習和英辞典です(下の二葉の写真のうち、右はその美装 2 色版)。日本人が自己と自国を、そして自国文化を語るためにはどうすれば良いか、日本人英語学習者がこれまで直面してきた英語の壁を打ち破り、自前の英語 (English of our own) でそれらを語るには、学習辞典としての和英辞典はどうあれば良いのか、そんなことを考えて編纂した辞典です。欧米人の考える「神」と日本人の考える「神」とが異なることを明確にその記述に反映させ、後者に対しては、god, goddess, kami, higher being, higher powerなどの訳語を積極的に使用することを推奨している和英辞典は本書が初めてだと思います。この記述は後日、「日本(人)性」を解説したり擁護したりする場合に引用されるようになりました(具体例に関してはこちら【「報道の姿勢を問う」の記事のうち「GODを『神』と訳した錯誤 −ことばと文化新発見−」 】をご覧下さい)。日本人の姓名も、「山田太郎」を Taro Yamada とするよりも Yamada Taro (表記の場合、初回は YAMADA, Taro )を推奨し、「姓」の項の用例の1つに「日本人の名前は姓が先にきます The family name comes first in Japanese names. 」のようなものを収録して、学習者に「私たち日本人はこのような氏名の言い方、書き方をします」という立場をとってもらえるように祈りました。(もちろん最善を尽くしましたが、思わぬところで誤解や勘違いを犯しているかも知れません。そのような箇所があればどうぞご教示下さい。)
 
  
この辞典が世に出るまでには、いくつかのドラマがありました。秘話もあります。いつかそれらを差し支えない程度に、どこかに (あるいは、このホームページに) 書き残しておきたいと思っています。



推薦の言葉(学研宣伝用パンフレットより)



日本人が最後のよりどころにできる、頼もしい味方
 人に聞かれて、心から推薦できる和英辞典がやっと出た。英会話にしても英作文にしても、『ニューアンカー和英辞典』には自分の表現したい身近な日常生活の語句が、実に自然でぴったりとした例文と共に示されているので、迷うことなくすぐに使える。例えば「義理チョコ」のようなことばを英語で何と言うのだろうと疑問に思って、先生に聞いても、本を調べても、アメリカ人やイギリス人に聞いてもわからにことが多い。そんなとき日本人が最後のよりどころにするのが和英辞典であるが、その和英辞典が役に立たなくて困ったり、イライラしたりした人がかなりいるはずである。しかし、この『ニューアンカー和英辞典』を手にして、そんなフラストレーションともさようならをすることができる日がついにきた。私はこれからはいつも『ニューアンカー和英辞典』を手許に置いておきたい。【小川先生は故人となられました。心からご冥福をお祈り致します。】



日本語の機微を英語で表現できる、新時代の和英
 ここ数年、従来なかった長所と特色をもった和英辞典が次々と刊行されるのをみると、日本が如何に国際的に英語文化圏への接近を必要としているのか、容易に理解できるのである。
 この度、学研から刊行された『ニューアンカー和英辞典』では、私は特に[解説]や[危ないカタカナ語]に感心した。例えば「いじらしい」の解説では、「日本語では幼い子どもがその年齢に似合わず懸命に何かをしたり、耐えたりしている場合にこの語を用いるが、英語にはこの含みを適切に表現する語がない」となっているが、その通りである。また、「ビニール」という[危ないカタカナ語]についての注意は他の辞典にないようなものであり、日本語のビニールの訳語はvinylではなくplasticであることを丁寧に教えてくれる。しかし、何と言っても「つうじる」の例文に一番驚いた。「ドナルド・キーン氏は日本文学に通じている」となっている。ありがたや、ありがたや、是非この辞書を推薦したい。【キーン先生は故人となられました。心からご冥福をお祈り致します。】




今までの和英辞典は、一体何だったのだろう
 元来、和英とはひどく難しいもので、作るには日英に精通していなければならない。実際私自身、これまでおよそまともなものに出会ったためしがない。これが本当の初めてである。例えば、法律用語である「証拠」と隠語に近い俗語の「ネタ」とでは、訳語が全然違って当然であるが、はっきり使い分けているのはこれが最初。さらに「予備校」など、日本独特の事物に相当する訳語がない場合、訳せずyobikoとして説明したのも初めて。訳す以上は、総じて最も自然でなだらかな英語(武張ったものではなく)にするのが当たり前だとすれば、今までのは(一部多少ましなものを除き)一体何であるか。これが真の和英であって、今までのは無理に取り立てて言う程の事はない。【三宅先生は故人となられました。心からご冥福をお祈り致します。】


  じつに多くの方々からご高評をいただきました。山陽学園大学助教授・
田邉祐司先生には、「和英では、山岸勝榮/郡司利男編 『ニューアンカー和英辞典』(学習研究社、2427円)を撫で回している。見出語を見ながら、相当語 (句・文)口頭訳出練習をしているが、これは結構な練習となる。『山岸和英』は見出語の配慮不足や生硬な用例が満載だった従来の和英辞典を、われわれが普段使用している日・英語の現況に近づけてくれた。ためしに『口うらをあわせる』を他の辞書で引くと“rearrange a story so as not to contradict each other”といった類の用例を載せている。だが本書では“Let's get together on the story.”と、お見事」と、書いていただきました (「現代英語教育」誌、1997、11月号)。書評の主なものを挙げますと、「現代英語教育」誌(大修館書店、1991、2)、「英語教育」誌(1991、3)、「JACET通信」誌(1991、4)、「週刊読書人」(1991、4、29)、「英語教育」誌(開隆堂、1991、4)、「The English Journal」誌(1991、6)、「The New English Classroom」誌(1991、8)、「週刊ST]誌(1991、10、25)などがあります。因みに、作家の丸谷才一氏『日本国語大辞典』(小学館)の書評をなさっている中で、本辞典の有用性に言及して下さっています(こちらをご覧下さい)。

 次に、偶然目にした、Amazon. co.jp における一般読者の方からの
『ニューアンカー和英辞典』評を引用させていただきます。ご高評下さりありがとうございました。

5つ星のうち5
生きている英語
, 2000/11/03
投稿者 塚本尚史  茨城県北相馬郡藤代町


 英語を学習する上で大切なこと、それは常に英語に触れ続けること。そして毎日の学習の中でなくてはいけないもの、それが良い辞書だと思う。 辞書をひかなければ、英語は上達しない。いくら単語を覚えようとしても、文法を学ぼうとしても、単語帳だけでは身につくことはない。(まして“すぐ覚える....”では。) 便利な今の世の中には、電子辞書なるものがある。それは確かに使いやすいし手軽だ。しかしこの辞書の生みの親である山岸教授(明海大)は言う、「辞書をひけと」。 自分でひいて、そこに書いてある多くの情報を吸収する。 それが大切だ。 その学習のためにこのニューアンカーは最も役立つ一冊であることは間違いない。
 具体的に言うと、英国や米国で今実際に使われている言葉の表現や、言葉の一つ一つがどのような状況で使われる、または用いることができるかといったことが正しく、細かに、詳しく説明されているのがこの辞書最大の魅力だ。  私と同じような全国の英語学習者へ、この一冊が必ず行き詰まった時に、ヒントを与えてくれるだろう。
 そして、この辞書が、山岸先生からの英語を学ぶ者への愛の贈り物であると思う。

5つ星のうち4 幅広い口語を収録, 2001/12/13
STRING(top-50-reviewer_5243) レビュアー: capitan_futuro (プロフィールを見る)   Turin Italy
「おっす」「チクショ−」なんていう口語表現までのっているすごい辞典である。何よりも見やすい。ただ語数はあまり多くないので、上級者は他の詳しい和英辞典で補う必要があるだろう。会話表現を調べるのに良い辞典。

5つ星のうち4 読みやすく便利な和英, 2002/02/19

ベスト50 レビュアー レビュアー: capitan_futuro (プロフィールを見る)  東京都目黒区
「しめた!」「ありがた迷惑」などの日常語を広く収録。
スピ−チレベルの差にも配慮しており、とても使いやすい。

 中には「和英辞典としてはたぶん一番使えると思います。『英語』がきらいな人の思想的問題を解決してくれる感じ」と書いて下さった若い方もおられます(http://web.mita.keio.ac.jp/~mb030025/aboutsite/profile.html;「辞書など工具類」の欄)。嬉しい限りです。

その他、『ニューアンカー和英辞典』への言及
 英語辞書あれこれ (10) http://www.nobu-san.itss.ac/index.-5jisyohtm.htm
 電子辞書の条件 http://tokigane.hp.infoseek.co.jp/idf3000.html
     
次は関山健治氏(沖縄大学)が主宰する電子辞書掲示板で見掛けた、本書に関する関山氏(Sekky氏)ご自身と一般の方による書き込みです(2003年10月分)。私の魂とも言うべき『ニューアンカー和英辞典』を、それも序文(具体的には「本辞典編集のねらい」)を評価の対象にして下さったことに謝意を表しつつ、引用させていただきます。

>ひまわり3さん 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:10月21日(火)10時30分59秒
>たとえばニューアンカーの方で、赤で目立たせてある成句
>in A' stead [副]A(人)の代わりに
>がスーパーアンカーでは黒になっていてネクタイマークがつき、
>in A' stead [副]A(人)の代理人として
>例文も同じ英文 Tom went in my stead. でも訳が
>トムが私の代わりに行きました。→トムが私の代理で行った。
>と変えてあるのはとても学習者にとって助かる(たとえば英会話などで場違いな表現をして
>しまうのが減る)親切なことだと思いました。

これこそがいわゆる「山岸英和,和英」の真骨頂だと思います(^^) 英和(和英)辞典という二言語辞典である以上,ソースとターゲットの記述は可能な限りイコールに近づける(言語が違う以上,完全にイコールにはならないでしょうが)必要があるというのは当然でしょうが,とくに日本語の訳語に関しては今までの辞書では英語のスピーチレベルとずれていることがよくありました。山岸氏は,1991年にまずニューアンカー和英でそのズレを極力是正し,それが後になって新刊行されたスーパーアンカー英和にも受け継がれています。

このあたりは,ニューアンカー和英辞典の冒頭に詳しく説明されています(この序文は,数ある英語辞書のまえがきの中でも最も具体的なものの一つで,ターゲットである高校生が読んで理解できる内容になっているので,辞書に興味を持つ人は一読の価値があると思います。今は古書店でしか入手できないのが残念ですが…)。
山岸和英ニューアンカー和英辞典 投稿者:ひまわり3  投稿日:10月21日(火)11時07分52秒
>今は古書店でしか入手できないのが残念ですが…

ニューアンカー和英辞典持ってます!買ったときおもしろくておもしろくて家に帰って読むのが待ちきれず、書店の前のミスタードーナッツのお店で長居してしまったことを思い出しました。
この赤い辞典も私のお気に入りでしたが、貴重なものなのですね。大切にしなくっちゃ。スーパーアンカー英和辞典の初版は購入したのですが、その後のスーパーアンカー英和・和英は買っていないのでわからないのですが、序文の内容も変わるのですね。


『ニューアンカー和英辞典』はこんなところでも利用されています。Kimochi (http://www.nipponico.com/dizionario/k/kimochi.php

  本辞典によって私を辞書編纂家として世に送り出して下さった学習研究社、同社辞典編集部の皆さんには深く感謝しています。この世でもっとも喜ばしいことの1つは、良き人との出会いを果たし、その出会いが、 世に貢献する仕事として結実し、後に続く人々の道標の1つとなってこの世に残ることだと思います。その意味において、本辞典は「心と心の通い合った編集陣」の知見・経験・情熱の三つが結実したものであると言えます。
  後出の『スーパー・アンカー和英辞典』は本書の全面改訂版ですが、改訂に当たって、誠に残念ながら、削除を余儀なくされた項目や解説が少なからずありましたから、今も旧版を新版同様に求めようとされる方々がおられることは本当にうれしいことです。


                向かって右に積んであるのが『ニューアンカー和英辞典』の校正刷りです;これに
                 最低4度は目を通し、朱を入れ、自ら多量の原稿を書き、主幹としての責任を全う
                 しましたが、40台前半の頃(この写真を撮影した頃)で未熟なため、学研辞典編
                 集部の諸氏に多くを依存してしまいました。今も深く感謝しています。
         
                                                                                             
  本辞典にどのような語句や用例を載せて欲しいかという私のアンケートに快く応え、若者言葉の収集に尽力してくれた明海大学、関東学院大学、明治学院大学の学生諸君に対しても感謝の気持ちで一杯です。

『ニューアンカー和英辞典』利用者の声
  本辞典が刊行された年、最初に利用者としての感想を寄せてくれたのは、非常勤講師として出講していた関東学院大学経済学部の学生諸君でした。もう皆(40代になって)、社会の中枢で活躍していることと思いますが、手元に諸君の「実感レポート」がありますので、懐かしく思い出しながら、その一部を記録しておきます。その節は、感想文の後日公表の可能性に対して了解を与えてくれてありがとう。素晴らしい学生諸君に恵まれたことを感謝しています。

★この辞典を見て最初に感じたことは、「おもしろい!」ということでした。自分をこんなにも時間を忘れるくらい没頭させてくれた辞書は、この20年間生きてきて行き当たったことがありません。具体的に言うと、他の辞書にはない"危ないカタカタ語”集(アイス、アイドル、ワンターン、ワンマン、 etc.)や、外国人には意味の分析が難しいと思われる日本的語彙(甘え、因縁、義理、etc.) が解説付きで、分かり易く書かれていることです。非常に親しみ深い例文が載っているのも読んでいて面白い要素だと思いました。(2年 飯田 純君) 

★この辞典で面白かったのは、例文です。たとえば、”タイムリー”を引くと、「秋山は津野の初球を叩いて同点タイムリーを放った/Akiyama banged Tsuno's first pitch for a game-tying RBI single.」と出ていたりして、今まで使っていた辞書のような堅苦しさがなく、思わず読みふけってしまいました。(1年 今村広二君)

★この辞典は、私たち若者が日常よく使う言葉がたくさん載っていて、読んでいて楽しいし、また勉強にもなるので一石二鳥です。また従来の和英辞典には、日本的表現にぴったりの英語対応表現がないのが普通で、フラストレーションがたまるばかりでしたが、この辞典には、これが「和英辞典」なのかと思うぐらい、日本の習慣・文化、そして英語圏の習慣・文化が理解しやすく書かれていて、納得させられます。もう5・6年早くこの辞典が出ていれば、私は英語が嫌いにならなかったかもしれません。 (2年 松下洋一君)  
 
★従来の和英辞典は、単語の量の多さを売り込む傾向が強く、用例も少なく、本当に知りたい日常語が見つからなくてイライラしたり、訳文も非日常的な直訳調で、普通に会話するような文が書けず、親しめぬものばかりでした。が、この辞典は、思わず 「僕も英語できるじゃん」と叫びたくなるほど、自分たちが使う言葉や例文がちゃんと出ているので、単語を調べるだけでも面白いです。「危ないカタカナ語」などは、別に調べるわけでもなくても、楽しく読めるので、思わず引き込まれてしまい、いつの間にか知識が身につき、得をしたような気分になってしまいます。本来、辞典とは、このように楽しく読めるものだと思います。(2年吉田 円さん) 

★この辞典を開いて最初に感じたことは、文字が大きく、さらに十分な行間が取ってあり、赤の見出しや和文のゴシックと対応する英語のイタリックがとても見やすく、引きやすいということでした。また、今までの「和英辞典」には載っていなかった若者言葉やマスコミ用語がたくさん出ていて、英語の学習用としてだけでなく、社会人になってからも使える実用的な辞典だと感じました。(4年 岩本 聡君)

★僕が英語が嫌いになってしまった一つの原因は辞典にあります。不自然な訳語のため結局意味がよくつかめず、辞典を見るのも嫌になってしまったことです。例えば「学芸会」を僕が今まで持っていたC和英辞典で引いてみると、「literary exercises」で、これだと「文学の会」と訳せるが、いったい何の事だかよくわからないのです。しかし、「ニューアンカー和英辞典」では、「the (students’) musical and theatrical performances」と出ています。言葉は長いが、この方が具体的によくわかり、充実した学習意欲をそそられました。(2年 鈴木雅之君)  

★これまで辞書は必要に迫られて調べるとき以外は使わなかった。私たちが普段話している言葉そのままではこれまでの和英辞典で調べてみても、英作することができなかった。 しかし、この辞典は本のように読めるし、例文も生活の香りがただよっていて面白く、例えば、「おっと危ない!」「うっとり見つめる」「まあまあ出来た」とかいう生活っぽい言葉も、一度は目にした事のある単語ばかりで書かれていて、すこし英語が好きになるような気がする。(2年 家接奈津子さん)

★既存の和英辞典と違い、受験英語にとらわれることなく、英語を話すために気軽に使えたり、日本と他国の文化的な違いを知る事ができる文化辞典としての役割も果たしたそうである。 (2年 山田真哉君)

★「危ないカタカナ語」は特に面白かった。私はここに出ている語は英語として十分通じると錯覚していたから恐ろしい。 
(2年 石川辰郎君)

★この辞典は、今までに見たこともない、日本人にとって正確でこまやかな辞典だと思いました。例えば、「神」ひとつとっても、今までの英語教育では "God"で、誰も疑いを持たなかったのではないでしょうか。”God”はキリスト教で言う唯一の神のことで、日本人の宗教意識には存在しないもののはずです。この辞典には、"Kami"と 出ていて、きちんと解説が付いています。 日本人としての誇りを持ったこの辞典は、画期的なものだと思います。(2年 市川勝宏君)
 
★この辞典で感動したことは、正直で正確な執筆態度です。従来の和英辞典は、日本独特の文化や自然観などに係わる言葉に対し、無理に意味の近い英語を並べるだけで、「この言葉は日本人の感覚にしか分からないのだ」という説明を付していません。これは、西洋に対してのコンプレックスを増徴させるものに他なりません。しかし、この辞典では、決して日本語の意味の限界を無理して越えようとせず、英単語で簡単に説明できないならば、文章にして説明しているところです。例えば、「義理」「人情」「節分」などといった日本語も正確に訳され、日本人の心を大切にしています。これなら欧米人にもよく理解してもらえると思いました。 (2年 安達祥司君)

★この辞典を広げての第一印象は、”探しやすい””わかりやすい”ということでした。私が今まで使っていた和英辞典は、辞書を広げたとき、日本語とそれについてかかれている例文の区別がしにくく、どこからどこまでがそれについて書かれているのか一目では分からないのです。この辞典はその点機能的で、活用性に富んだもので、辞典の持つ第一条件を満足させてくれます。また、日本語を英文に訳す場合、話し言葉か書き言葉かの区別がよく分からず、「これでいいのかな」と不安になったりすることがありますが、この辞典では、日本語と英語のスピーチレベルを合わせる配慮がなされているので、実際的で便利だと思います。(2年 沢瀬 修君)

★見やすい、読みやすい、頭に入りやすい。また、英語を調べているのに、日本語の意味までよく理解できる。(2年 近藤 任文君)

★この辞典は、英作文にフル活用できるだけでなく、外国人が日本の習慣や風俗を勉強するときに大いに役立つことだろう。なにより、より英語に慣れ親しむことができそうだ。(2年 峰田 勉君)



野球ファンにも人気
『ニューアンカー和英辞典』は野球ファンにも人気があるらしく、下記のように、インターネット上でご高評をいただいていることを偶然知りました。(原文は「小ネタ集」(1998年9月13日分)にあります。

ニューアンカー和英辞典(学研)の編者は野球好きなのだろうか。英訳の例文がやたらとおもしろい。「牽制」をひくと、 ”加藤は打者に1球も投げないうちに、一塁に4度も牽制球を投げた Kato pagged the ball to first four times before he made any pitch to the batter.” 妙に具体的だ。「打つ」をひくと ”落合は5回、3打点の2塁打を打った Ochiai belted a three-run double in the fifth.” 「ボール」では、 ”石毛はボールスリーから明らかにボールと分かる高い球をスタンドに打ち込んだ Ishige hit a very high pitch, an obvious ball, on a 3-0 count for a home run.” 一気に2つの「ボール」の使い方が分かってお得だ。さらには、「エラー」 ”宇野は凡ゴロをエラーした Uno muffed an easy grounder for an error.” 「デッドボール」 ”金森はデッドボールで1塁へ出た Kanamori was hit by pitch and got to first base.” など絶対野球ファンじゃないと分からないネタも登場している。野球好きなら是非持ちたい一品だ。(9/13)

追記1:上記の記事あるいは話題がさらなる話題に発展しているのを今日、偶然に知りました(こちらをご覧ください。→「野球ファンならこの辞典」)。嬉しいことです。〔平成17[2005]年2月13日記〕
追記2: 野球起源の英語表現に関してはこちらをご覧ください。→「スポーツ起源の成句―野球の場合」
追記3:上記の追記1に関連して、こんな記事も見つけました(こちらをご覧ください。→「『宇野がエラーをした』という例文が載っている和英辞典」「ニューアンカー和英辞典ちょっといい話」「宇野は凡ゴロをエラーした。」)。嬉しいことが重なりました。(平成17[2005]年2月23日記)


『ニューアンカー和英辞典』と用例としての“寅さん”に関してこちら(付記)をご覧下さい。


お願い
私が関係した諸辞典に問題点があれば
どのような些細なものでも結構です、
下記宛てに是非ともお知らせ下さい。
検討の上、必ず善処致します。
山岸勝榮

〒141-8510 東京都品川区西五反田2-11-8
学研プラス・辞典編集室
(03-6431-1605)