19.『スーパー・アンカー和英辞典』第3版 
              全面改訂版いよいよ発売!
(2012年[平成24年] 12月中旬 全国の書店で発売)

こちらにAmazonの書評があります。


価格:2,900円、全1,774頁(情報は第2版よりも大増量されているが
紙面の工夫・文字の大きさの変更等により、頁数としては減少した。)

1970年(昭和45年)の春から数年間、私は某社の英語雑誌で、英文添削の助手を務めた。その時、当時発行されていた学習和英辞典の主だったものをつぶさに検討する機会に恵まれた。そして愕然とする日が続いた。はっきりと言えば、肝心なところで「役立たず」だと感じられることが頻繁だったのである。その具体例については、『ニューアンカー和英辞典』(『スーパー・アンカー和英辞典』の基になった辞典)の「はしがき」をご覧いただきたいが、あれから40数年の歳月が流れた。昨今の学習和英辞典は、ずいぶん改良され、使い勝手もよくなった。いわゆる“user-friendly”なものになった。だが、私の専門的知識と経験とを通じて観察したところ、まだまだ改良の余地は多かった。その具体的問題点は拙著『学習和英辞典編纂論とその実践』(2001[平成13年]、こびあん書房)において、詳細かつ専門的に明らかにし、その全てに対して代案を示した。

 このたび、いよいよ、『スーパー・アンカー和英辞典』の第3版全面改訂版を世に問うことにした。『スーパー・アンカー和英辞典』第2版以降の私を中心とする編集陣の総力をあげた全面改訂版である。本辞典は、「理想的な和英辞典」を求め続けてきた私の第2版以降の研究成果を紙面の許す限り盛り込んだものと考えていただければありがたい。精魂込めて編纂したもので、「自前の英語」(English of our own) を目指す学習和英辞典である。もちろん、これで満足というつもりはない。これからも「より望ましい和英辞典」を求めて、命のある限り、同様の努力を欠かさないつもりである。

本辞典の特長を述べておく。   

1.基本的な特色は旧版をそのまま引き継いでいる(他辞典の真似をしないという方針も本辞典の特色の1つ)。

2.今回は初版、第2版と比較して、情報量を大幅に増やし、結果的に45,000項目を収録できた。日常的な事柄を英訳するのに不自由はないはずである。

3.最近の語句を追加した。例)アフィリエート、アプリ、再生可能エネルギー、写メ、自炊、就活、シュシュ、B級グルメ、半グレ、風評被害、モンスターペアレント。

4.日本語の発想で英訳した場合に生じるミスを解説した「
直訳の落とし穴」欄、おもに動詞を中心とした語句の決まった結びつきを広く文型ととらえて、中でも汎用性のあるものをまとめた「文型」欄、英訳の手順や注意点を解説した「英訳のツボ」欄という3種の新しい欄を設けて学習者の便宜を図った。

 学習和英辞典は良き学習国語辞典でありたい、言葉を愛する学習者を育てるのに役立つ辞典でありたい、自国と自国文化をよく知る学習者を育てるのに役立つ辞典でありたい、そうした想いで本辞典を編纂した。

辞書は慈書(=言葉を慈しむことを学ぶ書物)たれ。
辞書は滋書(=言語中枢に滋養を与える書物)たれ。

これは私が常に挙げる私の「辞書作り」に当たっての2つの願いである。我が魂魄(こんぱく)の学習和英辞典として、日本語と英語とを愛する人々に贈りたい。



次の文章は、私のブログ「山岸教授の日英語サロン」(平成25[2013」年7月2日付け)に書いたものです。

『スーパー・アンカー和英辞典』(第3版)に付されている読者カードの1枚が、学研から画像ファイルで私のところに送られてきた。「こういうハガキをもらうと俄然やる気がわきます」という編集部員の言葉も添えられていた。送り主は滋賀県で英語を教えておられる女性だ。書店で数冊の和英辞典を比較検討して、『スーパー・アンカー和英』に決めてくださったそうだ。「英作文の際、最もふさわしい訳語が見つけやすい」、「自然な日本語に自然な英語が添えられている」、「日本人が間違いやすいところが全てアドヴァイスされている」、「文中のコラム等も親切だ」、「娘のために買った辞典だが、自分のためにもう1冊買って、隅々まで読みたい」、「この辞典を入手して奮している」などと、編集主幹としては嬉しい賛辞が続くが、末尾に、「山岸先生、宝石のような辞書をありがというございます!」とあるのが、一番嬉しかった。
 「惜字(せきじ)」という語がある。私がいつも心に留めている語だ。「言葉を大切にすること」という意味だ。辞書は慈書(=言葉を慈しむことを学ぶ書物)たれ」、「辞書は滋書(=言語中枢に滋養を与える書物)たれという私の辞書作りのモット―はそのことを示している。本辞典を「宝石のような辞書」と評してくださったその女性に、私は私のほうからお礼を申し上げたいと思っている。こういう美しい言葉を添えた愛読者カードを送り返せる人はまた「惜字の人」だと私は思う。