13.不幸なる我が国に忠誠

       ―Patriae Infelici Fidelis.

我が国の閣僚の多くは、我が国の象徴たる「日の丸」に対して、一礼も会釈もしない。鳩山内閣発足時の記者会見場に据え置かれた「日の丸」の場合、現総理(当時は副総理)・菅直人氏はそれに一瞥さえくれなかった(鳩山氏は一礼した)。我が国の防衛最高責任者たる北澤俊美・防衛大臣も、千葉景子・法務大臣も、岡田克也・外部大臣も同じく、「日の丸」を完全に無視した。結果的に、新大臣18名中、11人の多きが「無視派」あるいは「無関心派」だった。(現内閣の場合に関してはこちらを参照;多少は世間の“評判”を気にしたか?) こうした大臣たち、とりわけ総理大臣、外務大臣、防衛大臣が我が国を代表して海外に出た時、海外で深い尊敬を受けるとは到底思えない。そこでは、当然、儀礼として「日の丸」が掲揚されるが、それに対してポーズないしはパフォーマンスとして“敬意”を示すふりをするというのは、彼らにとっては大いなる自己矛盾であり、偽善的行為である。そのことを彼らは重く受け止めるべきだ。

 正直に言えば、このような外務大臣の名の下に「旅券」(Passport)が発行されている事実に私など屈辱を覚える。会見場で「日の丸」に一瞥さえくれなかった岡田外務大臣に対しては、「日本の外交はますます土下座外交になるでしょうね。G8では国旗を飾るんでしょうから、…国際社会から笑い者になる」と評し、北沢防衛大臣に対しては、「こんなヤツの命令を聞かないといけない24万自衛隊、自衛官に同情する…日の丸を守れん、ないがしろにするようなヤツに国民の安全を考えられるわけがない」と憤慨した報道カメラマン・宮嶋茂樹氏の気持ちはよく理解できる(こちらのYouTubeを参照)。

 戦後を生きて来た日本人の一人として、いつも思う。我が国の為政者・教育者たち(とりわけ昨今の彼ら)は、国旗・国歌問題を本当には何も解決しないままで今日まで来た。我が国には、戦争に関わった事物・人は何もかも「悪」であり、その最たるものが「国旗」(日の丸)、「国歌」(君が代)だと断定する強い風潮がある。戦後の偏向教育はその具体例である(私によるこちらの記事を参照)。そうなることが連合軍、とりわけアメリカの「狙い」だったろうが…。

 兎にも角にも、こうした非礼な態度を公式の場で平気でとれる諸氏が、現在、我が国の舵取りをしているのだ。 


  不幸なる我が国に忠誠
Patriae Infelici Fidelis.

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鳩山内閣発足時の記者会見場で「日の丸」に一礼した大臣、しなかった大臣
一礼した大臣
鳩山由紀夫(内閣総理大臣)、
原口一博(総務大臣)、
平野博文(内閣官房長官)、
前原誠司(国土交通大臣)、
川端達夫(文部科学大臣)、
中井洽(ひろし)(国家公安委員会委員長)、
福島瑞穂(消費者・少子化担当大臣)。

一礼しなかった大臣
菅直人(副総理・財務大臣兼務)、
岡田克也(外務大臣)、
北澤俊美(防衛大臣)、
千葉景子(法務大臣)、
赤松広隆(農林水産大臣)、
直島正行(経済産業大臣)、
長妻昭(厚生労働大臣)、
小沢鋭仁(さきひと)(環境大臣)、
藤井裕久(財務大臣)
亀井静香(内閣府特命担当大臣・郵政改革担当)、
仙谷由人(内閣府特命担当大臣・公務員制度改革担当・国家戦略担当)。

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【注記】こういう歪(いびつ)な政治家が大量に出たのも、1つには戦後のGHQによる WGIP (War Guilt Information Program;戦争についての罪悪感を日本人に植え付けるためのプログラム)が功を奏した結果だと思う。