]W.「二世」の英訳について



昨年(平成15年)末、ある方から、SA和英、SA英和(付録・和英編)に関して次のような質問が寄せられた(時候の挨拶、氏名などは省略する)。


 スーパー・アンカー英和・和英辞典をいつも愛用しています。SA英和の第3版も早速購入致しました。
  さて、次の点につき質問させてください。
  SA英和p.2030とSA和英p.1168の“二世”の欄に、
  a second-generation Japanese-Americanとありますが、a first-generaton Japanese-Americanではないでしょうか。

  1. …のアメリカ人に教えてもらってわかったのですが、なんとfirst generation は「二世」を指す言葉だったのです。(渋谷彰久「アメリカを読む」)
  2. first-generation Americans Americans whose parents were of some other nationality (Oxford American Dictionary)
  3. first-generation / second generation Canadian etc. someone who is a first-generation etc.was born in Canada but
     their parents were not, and a second-generation Canadian has parents that were born in Canada, but their grand-parents were not (Longman Advanced American Dictionary)

  

以上の質問に対して私は次のように答えた。


   お便りをありがとうございました。「二世」の英訳の件ですが、渋谷彰久氏の『アメリカを読む』が一つの原因なのでしょうか、同様のお問い合わせをしばしばいただきます。結論から申しますと、『スーパー・アンカー』の訳語で差し支えありません。ただし、言葉足らずでしたので、改訂の際には注記を施したいと思っております。つまり、次のような事情です。
    日本側から見た場合、すなわち初めて渡米定住した日本人の立場から見た場合、彼等は「一世」(Issei; first generation) と呼ばれ、彼等の子供で米国生まれの者が「二世」(Nisei; second generation)と呼ばれます。しかし、これを米国側から見ますと、米国生まれの者すなわち「二世」(Nisei)が米国生まれのfirst generationということになります。
     引用なさっておられるOxford American Dict.Longman Advanced American Dict.も、「二世」の定義を英語圏側から見て載せていることになりますが、私の和英辞典はあくまでも日本人の立場から見た時の定義を問題としております。
   渋谷氏は「アメリカ人に教えてもらって分かった」と書いておられますが、私が指摘したことに関してはご理解が及ばなかったようです。
   以上でお分かりいただけたでしょうか。
    

 上記のとおり、「二世」という日本語の英訳は、日本から見た場合と、アメリカから見た場合とでは言い方が異なるというのが私の回答であった。ただし、アメリカ人の間でも「二世」を“Nisei”ではなく、“‐generation”を用いて表現する場合には、人によって“first”と“second”の用い方に違いがあるようであるからややこしい。煩雑さや誤解を避けるには、あるいは、My (grand)paretns were born in Japan and became US citizens. / My (grand)parents migrated from Japan to the USA and obatained American citizenship.のような言い方も好いかもしれない。この件に関して、詳しい情報をお持ちの方はぜひご教示いただきたい。