13.はなむけに

 以下の文章および詩は、明海大学外国語学部長・小池生夫先生が同大学外国語学部英米語学科2007年度卒業生に「はなむけ」として贈られたものです。卒業生諸君に深い感動を与えました。そこで、一人でも多くの方にお読みいただきたく、先生のお許しをいただいて、ここに転載致します。

      

はなむけに
        外国語学部長
        大学院応用言語学研究科長
                小池 生夫
 おめでとう。とうとう卒業ですね。幼稚園、小学校、中学校、高等学校、何回も卒業式に出ましたね。でも、今日が最後の学校生活とのお別れですね。先生、友達とも今日が最後です。いままでは、支えてくれた人がいたでしょう。しかし、これからは独立自尊の世界に飛び込む。独立の存在として、たとえ自信がなくとも、己と厳しく向きあい、人に頼らず、人に頼られる人間になるのです。
 じつは、私も卒業です。五十三年の英語教師から卒業です。残念なことに皆さんひとりひとりと親しくお話することができなかったのですが、蔭では、先生や職員の方々と、皆さんが四年間、楽しく学園生活が送れるように、心配りをしてきました。皆さんひとりひとりのお父さん、お爺さんのような気持でいました。ですから、最後に私の好きなことばをはなむけに贈ります。





人生で小利口になってはいけない
淋しいことだ
なるならば 馬鹿になることだ
それも 大馬鹿になることだ
己の欲を後回しにして 人の幸せを支える
人のため 世のために
尽くしつづける人生を選び その道を進む
これが人生の王道 王者の道なのだ


人生で失敗はしないほうがよい
失敗しないように最善を尽くすのだ
だが それでも失敗はある
そのときは 己の不足を嘆くがよい
しかし その後で 再び立ち上がるのだ
次はどうしたら
頑張れるかを考えるのだ
人生は五勝十敗
落胆のなかから燃え上がる
炎を心に燃やすのだ
そのとき 大海をみる


ひとから愛されることを
求めるのか
それよりもひとを愛しなさい
報いがなくてもいいのです
それだけで報いられているのです
もっと大きな報いが
あなたの気がつかないほどの愛が
やがて あなたをつつむ
人は生きる喜びと悲しみによって
人生を大きく知るのです


目の前のことで
一喜一憂しなさんな
大局を直感する
そのような力を
育てなさい
目にみえないことに心を向けて
先を見通すことを
学ぶのだ


感謝からすべてが生まれる
人間ひとりで生きられると思うか
人への感謝
地への感謝
天への感謝
そこから己が育つ


平成二十年三月二十二日
 卒業の門出を祝って





卒業生の一人・吉川良君が、山岸ゼミ専用掲示板に、小池先生の「はなむけに」を掲載してくれ、それに在校生である山岸ゼミ生が感想を寄せています。諸君の了解を得て、転載します。小池先生にこれをお知らせしたところ、「教師冥利に尽きます」と仰って喜んでくださいました。じつは、吉川君は私が慶應義塾大学法学部2年次生を教えていた時(4年前)の受講生の一人で、同君は2年次終了と同時に同大学を退学し、ニュージーランドにラグビー留学し、その後、明海大学の私のもとに転編入でやって来た学生です。小池先生も長年、慶應義塾大学教授を務めておられたことを思うと、人の世の縁を思わずにはいられません。


名前: 吉川良
日時: 2008/03/22 23:56
新ゼミ生、特修生の皆様
本日、晴れて卒業を迎えることができました。体育館での卒業式終了後、各学科の学生が別々に教室に集合しました。外国語学部の教室では、小池学部長からはなむけの言葉〔小池先生創作の詩〕を頂戴致しました。男が故に、しばらく涙というものを忘れていましたが、様々な思いが込み上げて、涙が止まりませんでした。小池外国語学部長の優しいお声と緩やかに読み上げなさった調子を掲示板では表すことができませんが、最大限の想像力を発揮し、心で聞いてみてください。小池外国語学部長から、本掲示板での掲載の許可を得ました。

【「はなむけに」は省略(上掲)】



名前: 中村謙太
日時: 2008/03/23 00:35
吉川さん
本来なら、今年度の卒業生しか聞くことの出来ない小池外国語学部長のはなむけのお言葉を教えてくださり、まことにありがとうございます。
声に出し読んだだけで、涙が出そうになりました。やはり人は利他的に生きなければならない、自分自身を構成する物を、人を大切にしなければならないと思いました。

名前: 小関奈央美
日時: 2008/03/23 01:57
吉川さん
卒業生へ向けての小池外国語学部長のお言葉を、わたくしども在校生にもご紹介頂きましたことをまことにありがたく存じます。
小池外国語学部長のお言葉を拝読し、忘れかけていた大切なものを思い出させて頂いたような気が致しました。精一杯勉学に励み、努力を重ねた大学生活を送った上でこのようなお言葉をお聞きするのは、また一味違うものであることと思います。大学へ入学し、一人暮らしを始めてからは人間一人では生きられないのだと感じることが多々ございます。何事にも感謝の気持ちを忘れずに、そして自分に係わるすべてのものを大切に生きて参りたいと感じました。

名前: 長谷川 唯香
日時: 2008/03/23 11:07
吉川さん、
ご卒業おめでとうございます。
一つ一つが心を揺さぶるような、強く、暖かいお言葉ですね。文字として拝借させていただきましたが、小池外国語学部長が心を込めて卒業生に向けている姿や声こそが感動につながったのでしょうね。
私も残りわずかである学生生活で仲間と共に思い切り勉学に精進しよう、と改めて感じました。

名前: 木村久美子
日時: 2008/03/23 14:49
吉川さん
小池学部長がお創りになられた詩を掲載してくださり、ありがとうございます。
感謝という忘れていたもの、とても大切なものを思い出させていただきました。それと同時にわたしの器の小ささを感じ、恥ずかしくもなりました。
日頃から感謝の念を忘れない人間になれるよう、努力致します。

名前: 冨樫友里恵
日時: 2008/03/23 19:56
吉川さん
ご卒業おめでとうございます。
小池外国語学部長の貴重なお言葉を教えてくださり、まことにありがとうございます。
一語一語が強くわたしの心に響き、感動致しました。
たくさんの人に支えられているからこそ、こうして勉強ができるのだとことに感謝をして、一日一日を大切に過ごそうと思いました。
早いものでわたしの学生生活も残り半分になってしまいましたが、悔いを残すことなく卒業できるよう、精一杯努力して参ります。

名前: 菅澤友里恵
日時: 2008/03/24 10:09
吉川さん
ご卒業おめでとうございます。
小池外国語学部長のお言葉を掲載してくださり、ありがとうございます。
小池外国語学部長のお言葉を拝読し、人に支えられて生きているという大切なことを思い出させていただきました。
自分に係わるすべてのものに感謝の気持ちを忘れないよう、努力して参ります。

名前: 実川麻衣子
日時: 2008/03/24 22:37
吉川さん
卒業生の方々に向けた小池外国語学部長のはなむけのお言葉を教えてくださり、まことにありがとうございます。
読み終えたときに、心がとても暖かくなっているのを感じました。
小池外国語学部長のお言葉の中でも「感謝からすべてが始まる」という一文が、とても心に響きました。
人は誰しも一人では生きていけないものであり、だからこそ、感謝の気持ちを忘れてはいけないのだと思いました。

名前: 芝崎 貴裕
日時: 2008/03/24 23:49
吉川さん
ご卒業おめでとうございます。
小池外国語学部長がお書きになった詩を教えてくださり、まことにありがとうございます。
この美しい詩を拝読し、わたくしは「利己心を捨てること」「ひとを愛すること」「感謝すること」といった他者を尊ぶことの大切さを学びました。


名前: 及川陽子
      日時: 2008/03/25 12:42
      吉川さん
      すでに中村さんがおっしゃっておりますように、本来ならば、今年度の卒業生しかいただけない小池外 国語学部長からのはなむけのお言葉を
      わたくしどもにご紹介くださり、まことにありがとうございます。
      わたくしは特に3番と5番に心を打たれました。
      「自分がしたことは自分に返ってくる」ということと、「すべてのものへの感謝を忘れてはならない」というこ
      とを常に心に留めて、日々成長するように努めてまいります。


名前: 三浦綾香
日時: 2008/03/26 02:49
吉川さん
小池外国語学部長のはなむけのお言葉を教えてくださり、まことにありがとうございます。
一語一句、ゆっくりと意味を考えながら心できかせていただきました。
愛することができるひとは愛されたことのある、愛を知るひとだと思います。ひとに限らず、すべてのものに愛を注げることは簡単ではありませんが、ひとの心を育てる上で大切なことであると感じました。