3. 『スーパー・アンカー英和辞典』(2001年第2版) 
     

  前記 『スーパー・アンカー英和辞典』の第2版です。今回の改訂は小規模改訂でしたが、許容範囲内で加除修正を施し、新語を中心に、約500語を増補しました。また、初版では巻末に置いた 「重要名詞コロケーション小辞典」 を、学習者の一層の便宜を図るために、精選して本文の見出し項目に用例として組み込みました。今回、本格的な12cmCDを付け、発音指導とミニ会話に当てたことも、本辞典が好評をもって迎えられた理由の1つだろうと思います。発音指導は明海大学渡辺和幸教授にお願いしました(私は「英語の歌」「テーマ別ミニ会話」のコーナーで司会進行役として吹き込みを行ないました)。
  さらに、現代英語の観点から、古くなった語義や、一部の用例を削除してスペースを捻出し、有益な情報を盛り込むことに腐心しました。付録の「現代社会のキーワード」「語源で覚える英単語」「発音やアクセントを間違いやすい単語」なども本辞典の充実振りを示すものだろうと思います。多くの方たちに支えられてできた辞書だけに、その真価が一人でも多くの英語学習者の皆さんに理解していただけることを願って止みません。(もちろん最善を尽くしましたが、思わぬところで誤解や勘違いを犯しているかも知れません。そのような箇所があればどうぞご教示下さい。)
 翻訳家としてもご高名な中央大学名誉教授・飛田茂雄先生からは「内容面でも活字の面でも正確さが類書を圧しており、あのサイズとしては最高だとお見受けしました。先生のすぐれた御指導の賜物に相違ございません」という、私信(2001/10/22付)でのお褒めの言葉をいただいたことも幸いでした。


          『ニューアンカー和英』『スーパー・アンカー和英』『スーパー・アンカー英和』等
          『アンカー』関連のデザインを一手に引き受けて下さったデザイナーの吉田誠氏
            
(左)右は執筆・校閲担当の Eve N. Okawa 氏


インターネット上で出会ったこの版の評その他; ありがとうございました。下に引用させていただきます。

「お薦め辞書・参考書」(http://park17.wakwak.com/~nishizawa/Beating_Exams.htm)

辞書は「引きやすい、見やすい、簡単、役に立つ」が一番。その点では『スーパーアンカー』がピカいちです。細かいことは抜きにして大切な文法事項は絵や図を使って丁寧に説明。大切な動詞の使い方が一目でわかるレイアウトになっているし、つけられた例文も易しい文字が大きいことはすごくありがたい。発音指導のCDなど付録も充実している。例文に目を通さない人が多いのですが、これは大きな間違いで、何回も音読・黙読を繰り返したり、ノートに書き出して暗記するように努めましょう。簡単な良い例文を覚えることは、英作文や英会話の基礎です。

ところで、この対極にあるのが大修館の『ジーニアス英和辞典』。ほとんどの高校が推薦しているので、この辞書を持っている高校生はとても多いようです。ですが、ほとんどの人が使いこなせていない、いやそれどころか使っていないのが現状のようです。細かい文字で細かい文法事項をてんこ盛りしてくれているのは、便利なようでいて、実は過剰装備。逆に、探したい基本事項がなかなか見つからず、とても不便なのです。

実は、教師が小難しい知識を仕入れ、生徒に「どうだ、わかったか(俺は難しいことも知っているだろ)」と説明して満足するための道具ではないでしょうか、この辞書は。私はそんな光景をしばしば目撃しているし、自分でも過去にやっていました。とにかく、『スーパーアンカー』を手にした瞬間、学習者は、「ああ、小難しいことは気にしなくていいんだ」と、安堵することでしょう。

   その他、次のような書評が目に留まりました。引用させていただきます。
     1. http://www.e-trans.co.jp/right/dic_super.htm(プロが選んだ、翻訳にかかせない辞書)
     2.http://www5d.biglobe.ne.jp/~y-semi/68991088/index.html(当方の目指す絶対合格の秘訣2;以下に引用させていただきました。

☆ 辞書は [ スーパー・アンカー英和辞典<学習研究社>が大学受験には最適ですが、語法が整理されていてかつ例文が多い辞書であればよいです。

     3. http://www.yk.rim.or.jp/~kato/point.html(ワンポイントコーナー;以下に引用させていただきました。

確かに、ロングマン等の英英辞典も学習には有効ですし、いずれにせよ使うべきだとは思いますが、その前にもう一度英和辞典を使い尽くしましょう。特に、私がお薦めしたいのは、学研の「スーパーアンカー英和辞典」です。

     4.http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5117/page003.html(英和辞典;以下に引用させていただきました。

4..具体的には・・・
このレベルで私の一押しの辞書は『スーパーアンカー英和辞典』(学研)です。必要な情報が
とても簡潔・明快にまとめられています。私がそれなりに英語のやり直しに成功してきたのはこの辞書によるところが大きいといっても良いくらいです。(※注 私が英語の勉強を始めた頃は『ニューアンカー英和辞典』という名称でした。)

     5. http://www.esbooks.co.jp/myshop/gogakudo/shelf_id=04(語楽堂2;おすすめ書籍;以下に引用させていただきました。

スーパー・アンカー英和辞典
山岸勝栄/編集主幹 児玉徳美/監修 貝瀬千章/監修
学研
2,850円(税別)
辞書は自分の使いよいものが一番。このアンカーは20数年前に初版が出たアンカーの最新版。親切明快。痒いところに手が届く。私のお気に入りです。
【 ★★★★★ 】 − 2002/03/29 更新

     6. http://tokigane.hoops.ne.jp/idf3000.html(電子辞典使用れぽーと以下に引用させていただきました。) 

いろいろ物色して気がついたのは,各メーカーから出されている電子辞典のベースになっている英和・和英辞典は,「研究社英和・和英中辞典」が多いということです。
 私は,「学研スーパーアンカー英和辞典」,「学研ニューアンカー和英辞典」が一番気に入っています。生きた英語を身につけるための辞典だからです(詳しくは,CanonワードダンクのHP参照)。

      7. http://jinbun1.hmt.toyama-u.ac.jp/eibei/Tsunekawa/English%20A%20%2002%20Discussion%20on%20Dictionaries.htm(Discussion Topics) 
      8. http://www.rr.iij4u.or.jp/~kanchan/index.htm (「英語の勉強」欄から入室;
以下に引用させていただきました。

■ スーパー・アンカー英和辞典 山岸勝榮編集 学研社

和英は定評があるのですが、英和のほうはあまり有名でないので、手を出していませんでした。最近、本屋で見て、買ってしまいました。これは、いいです。学習用ですが、成人でも使えます。基本的なことをあまりに知らなかったのに、自分で驚いています。たぶん、そう思う人は多いのではないかと思います。特に、プロフィールという項目が気にいっています。プロフィールをもっと増やして、単語数をもっと増やして大型の辞書にしたら、後世に残る名辞書となりそうです。でも、基本語に徹しているところがいいのかも、という気もします。単語はそれほど多くないので、専門語を調べるための辞書ではないです。

       .9 http://www.kamakuranet.ne.jp/~tagoe/dict.html (「おすすめの辞書」) 
       10.http://nakamanman.f2g.net/efl/dictionaries.html(英和・和英・英英辞典;以下に引用させていただきました

スーパー・アンカー英和辞典』(学研)
訳語は最小限に抑え,意味の広がりについての詳しい説明と用例によって語の意味と用法をつかむタイプ。たぶん山岸勝栄先生の個人編集に近いんだと思う。方針が隅々まで行き渡っている感じがする。CD付きで,山岸先生の肉声もきける。個人的には,英和はほかに好きなのがあるのでそれほど使わないが,『スーパー・アンカー和英辞典』のほうは,和英の中では使用頻度が高い。使える例文が多いし,それも高校生の生活語彙に近いと思う。学習用に限らず,いい和英辞典ってなかなかないけど,これはおすすめできる。

      11. http://nifty.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3f6f1465effff01024fa?aid=01nifty31&bibid=01943174&volno=0000 
        (@niftyBOOKS)  

書評  
わかりやすさ抜群

ヤン・ヨステンジン
2003/02/23
評価(★マーク)
★★★★★
研究社やら大修館やらにはさまれてともすれば地味になりがちですが、学習英和のいの一番といっても大げさにはなりませんでしょう。特徴は「わかりやすく親切な辞典」で英語がそう得意でない人にも“引いてみるか”という気をおこさせるし、得意な人は“読んでみよう”という気持ちになる癒し系英和辞典です。だからといってジーニアスとはほぼ互角にわたりあえる解説がついていますし。私は好きです、この辞典。

       12. http://product.esbooks.co.jp/product/product/author?accd=30751121  (イーエスブックス) 

学習英和辞典の最高峰
老教師 [★★★★★] −2003年10月14日
高校生を中心とする日本人学習者にとって、最高の学習英和辞典を選べと言われれば、迷うことなく本書を推す。記述に無駄が無い。英語文化が分かる(この点では最高の英和辞典)。記述内容に人間味が感じられる。受験には収録語数の多いものが良いなどと言う意見もあるが、そんなことはない。小難しい語彙は大きな辞典を見れば良い。高校生・受験生なら本書で十二分。
ぬさんたりあ2店長「語楽堂2」英語参考書・辞書コーナーより
ぬさんたりあ2 [★★★★★] −2002年03月29日
辞書は自分の使いよいものが一番。このアンカーは20数年前に初版が出たアンカーの最新版。親切明快。痒いところに手が届く。私のお気に入りです。
すばらしい。
あんふぉ [★★★★☆] −2001年01月06日
勢いを感じさせるすばらしい辞書だ。

 続いて、Amazon. co. jp における本書の「カスタマーレビュー」(書評;2000年11月から2003年10月まで)の主なものを有り難く引用させていただきました。(明らかな誤植は訂正しました)。     

5つ星のうち4 英作文には欠かせない一冊, 2000/11/15

ベスト1000 レビュアー 投稿者 kat  神奈川県横浜市


この辞書の良い所は、見やすく引きやすくするための工夫が、随所に盛り込まれているということです。 まずは、その単熟語がフォーマルな言葉かインフォーマルな言葉か、見やすい記号で表示されていること。従来の辞典では、「格式」とか「略式」などと表示されていましたが、この辞書では見た瞬間に分かります。
 さらに優れているのは、動詞を始めとした、文型表示の見やすさです。通常の辞書では、見出語は「〜」の記号などで表示されていることが多いのですが、この辞書では、見出語がフルスペルで表示されています。これは、実際に使ってみると、驚くほど使い勝手が良いです。 
 これらの点から、私は、英作文をする時には必ずこの辞書を引いています。仕事柄、また論文等で英語を書く人には、mustの一つだと思います

5つ星のうち5 比較すると, 2001/09/29
投稿者 カスタマー

私はトフル550、トイック820の英語力ですが、今まで使った辞書で一番これが良いです。ロングマン、オックスフォードとほぼ同じ例文が、この辞書には記載されており、定義付けも英英辞典に最も近いような気がします。
 そのうえ、紛らわしい単語例えば、until, byや、fairly, ratherなどの違いは、見やすい表を用いてその違いが一目で分かるようになっています。 ジーニアスを始めとする5文型にこだわった辞書とはひと味違い、intend THAT/TOなどの表記で文型を説明します。また、定義もジーニアスなどと違いそのような専門用語を用いない英語のあるがままの形で、全て区別してあるので、知りたい用法、意味を即座に見つける事が出来ます。この点ではどんな英英辞典よりも優っていると言えます。私が今持っている辞書は、ロングマン、オックスフォード、研究社ニューカレッジ、ジーニアス、アクティブジーニアス、小学館プログレッシブ、ライトハウス、グランドセンチュリーですが、一番良く使うのはこの辞書です。
 英和辞典の馬鹿げた文型表示やわけの分からない訳出に嫌気がさしている方も、スーパーアンカーなら安心して使えると思います。
5つ星のうち5 元祖学習辞典, 2002/03/24

ベスト10 レビュアー 投稿者 ほ蘭人  神奈川県 横須賀市

 観光地で「うちが元祖」とお饅頭でもめていることが話題になりましたが、学習辞典ではどうでしょう。私はアンカーが元祖だと思います。初版が出たのは大学の頃。当時「学研?高3コースとかの?だめだよ、きっと」くらいで相手にしない雰囲気もありました。が、発売後しばらくしてその評価が一変します。「わかりやすい記述。ていねいな解説。てにをは がしっかりしている・・・」など、その後の学習辞典に与えた影響ははかりしれないものがあります。「スーパー」まで進歩して、編者も代わりさすが辞典としてのカラーも若干変化してきましたが(どちらがいいかは好みの問題)明快、親切でわかりやすくて、辞書を「読もう」という気を起こさせる傑作であることはかわりません。「語法」の記述では「ジーニアス」に一歩譲りますが、それを補うものを十分持った「優しい」英和辞典です。
5つ星のうち5 迷ったらこれで決まり, 2002/04/28
投稿者 カスタマー 

大学、高校生が迷う辞書はジーニアスか、ライトハウスか、またはプログレッシブの場合もあるでしょう。残念なことに、スーパーアンカーはあまり選択肢に入らないようです。しかし、わたしは、スーパーアンカーが上記の中でもっとも使いやすい辞書だと思います。 確かに、ジーニアスは分厚く、載っていない単語を探すほうが大変です。また、文法事項も相当細かい所まで説明してあります。
 しかし、単語を引く時一番多いのが、その単語の品詞や、使い方を知るというようなとてもベーシックな場合です。スーパーアンカーはそのベーシックな要素を一番重要視して作ってあります。毎日使う辞書でこれに優るものはありません。
 何もかも詰め込んだ、使いにくい辞書よりも、高校生と一般的読者だけを対象にした、親切な辞書の方が使いやすいのはいうまでもありません。
5つ星のうち5一言, 2002/06/18

投稿者 小金丸 顕  福岡県 Japan飯塚市

高校生が使うには,最高の辞典。これで,大学は,どこでも合格。

5つ星のうち5 「使える英語」のための辞書, 2002/08/10
投稿者 和敬静寂  東京都Japan

編集主幹の山岸さんは『スーパーアンカー和英』の中で「自前の英語」の必要性を喝破している。この英和辞典もその路線のものだといっていい。自分の身の回りのこと、自分の言いたいことを言う・書くことための辞書といってもいいと思う。たとえば、「富士銀行」には定冠詞がつくのかつかないのか? 本書の"bank"を引けば、"I deposited 100,000 yen in Fuji Bank."とでている。冠詞の有無がわかるだけでなく、ドルやアメリカの銀行名の例文よりもよほど身近かだ。

5つ星のうち5 部分的にはジーニアス英和より優れている, 2002/10/24

ベスト500 レビュアー 投稿者 Nemo  神奈川県

01年9月29日付けのカスタマー氏の評を信じ、本書を購入したところ、大当たり。このところ、英日の翻訳において、何回も助けられている。幾つか例を挙げる。@stake。ジーニアスやリーダーズには載っていない「(企業の)株」という意味がちゃんと出ている。Aagenda。「重要政治課題」という訳語がしっかり載せてある。ちなみに時事英語では、agendaはこの意味で使われることが非常に多いのに、なぜかジーニアスにもリーダーズにも載っていない。Blovingly。ジーニアスでは、「愛情を込めて」「愛情に満ちて」などの訳語しか載せていないが、スーパーアンカーでは、「丹誠こめて」の訳語が載っている。嬉しい。素人考えでは、これは多分、COBUILDのlovingの語義(actions are done with great enjoyment and care. )と例文(The house has been restored with loving care.)を取り込んだ成果ではないかと思う。
 私はジーニアスに慣れ親しんできたので、今後も、基本的なツールとしてはジーニアスを使うつもりであるが、このところ、ジーニアスにもリーダーズにも載っていない語義を探し求めるときには、まず、この辞書に頼るようになった。
5つ星のうち5 中辞典・大辞典に伍する学習英和, 2002/11/05
投稿者 hiyu2  島根県 Japan

私はこの辞典の価値を最近まで知らず,語数の多く語法に詳しい辞書を優先的に使ってきた。しかしこの辞書を手に入れてからは,何よりこの辞書を引くようにしている。何よりも説明が簡潔で,しかも分かりやすい。編集主幹・山岸勝栄氏の独自の取材に基づいて編纂した辞書だけに,訳語や用例は他の英和辞書には見られない新鮮さと的確さがある。重要語の記述の丁寧さでは,大辞典にさえ引けをとっていない。
もっとも学習辞典であるから,新聞を読むための十分な語数は入っていない。載っていない言葉は他の辞典で補うか,「この辞書に入っていないような難しい言葉・表現は別に気に留めなくてもいいのだ」と思えばストレスがたまらない
5つ星のうち4 私は好きです, 2002/12/04
投稿者 じゃないか  茨城県 Japan

語彙数の多い電子辞書とともに愛用しています。学習英和辞典として内容が優れているのは勿論のこと、フォントや色使いなどもよく工夫されていて、必要な情報がストレス無く目に飛び込んでくるところが素晴らしいと思います。
 ただもったいないなと思う個所も二三あります。付録の「現代社会のキーワード」、この秀逸な解説を本文に入れないでどうするのでしょう。使うときの状況を少し考えたらわかるはずです。また同じく付録の「語源」についても、本文の見出し語からのジャンプ表示もなく、孤立してしまっています。
 また私は英和辞典を選ぶ際、implicationを引いてみるのですが、フェイバリット英和や新グローバル英和の方が進んでいる感じでした。個人的な好みとしては和英小辞典を中途半端に付けるより、基本語を大切にする今の路線を更に充実させて欲しいです。
5つ星のうち5 私と私の生徒達にはなくてはならない英和辞典, 2003/06/23
レビュアー: Flat Fish   静岡県伊東市

高校生を対象とする多くの優れた英和辞典が出ている中で、英語教師としての私が最も信頼しているのがこの辞典である。プロダクションを利用したり多人数で原稿を書いたりしている昨今の辞書出版界にあって、編集主幹の努力と人間性がふんだんに盛られた素晴らしい辞典である。個人的には、「英語文化のキーワード」が特に気に入っている。この記述によって蒙を啓かれたと言っても過言ではない。昨年、2点推薦で推薦した『フェイバリット』と引き比べてみたが、こちらは『スーパー・アンカー』の「英語文化のキーワード」欄の記述を真似したと思われる箇所が散見され、二番煎じの感を否めなかった。今年の私と私の生徒達は『スーパー・アンカー』にすっかり“はまって”しまっている。

5つ星のうち5 高校生向け、英語学習者向けのベスト, 2003/10/14
レビュアー: 梅一輪 (プロフィールを見る)   長崎県 Japan

初版は、20年以上前に「アンカー英和辞典」として発刊され、そのときは編集主幹が柴田先生でした。そのご、山岸先生が後を継がれ今のスーパーアンカーとなっています。
柴田先生は、英語学者というよりも、すぐれた英文学者とよんだほうがよい方だとは思いますが、それと同時にすぐれた教育者でもあった方です。

 そのため、初版も単に語釈を書くというものではなく、日本語と英語の違い、特に語感についてのすぐれた記述について、生徒(日本人)が間違いやすいところについて優れた解説がされていました。また、語法については、細かく書きすぎることもなく適当なバランスのよさで記述されています。読むものの気持ちをゲンナリさせるような書き方はどこにも見当たりません。辞書は読者が何を求めているのかを明確にし、それを提供するのが勤めだとおもいますが、この辞書は英語を、ひいては日本語を含めた言葉そのものを勉強したいと思う人の優れた導き手だと思います。おそらく編集方針の一つに「明快であること」ということがあったのだろうと推測しますが、使うのに非常に気持ちのいい辞書です。
 また、編集主幹として後をつがれた山岸先生は優れた英語学者で、アンカーの伝統や良さを守りつつより優れた辞書「スーパーアンカー」として完成されました。山岸先生も教室ではいい先生なのだろうと、この辞書を使うたびに思います。高校生向け、英語学習者向けのベストとして推薦します。辞書の良さは身近において使わないとわかりません。とにかく、買って使ってみてください。




2002年度(平成14年度)明海大学外国語学部英米語学科の授業の1つ「英語学特講V‐a 」では、前期(4月‐7月)に『スーパー・アンカー英和辞典』(第二版;学習研究社刊)を教材にして、英和辞典の構成、内容、利用法、指導法などを講義しました。こちらもご覧下さい。 【ちなみに、2003年度(平成15年度)の「英語学特講V‐a 」前期授業でも同辞典を利用した授業を行ないました。】

    最後に、和洋女子大学大学院修士課程在籍中(平成15年6月現在)の権田澄子さんによる『スーパー・アンカー英和辞典』評をご本人のご了解をいただいて掲載致します。


今月の1月から2月にかけて、修士1年の授業のしめくくりとして、レポートを10本ほど書かねばなりませんでしたが、その折に『スーパー・アンカー英和辞典』(以下は『スーパー・アンカー』とさせていただきます)にどれほどお世話になったかわかりません。一番有り難かったのは、他の辞典にはなくて、調べる側にとって一番求めている情報が入っているという点でした。以下は、どのような単語の、どのような解説で、どのように役立ったかを実例を挙げて、述べていきたいと思います。

1.“love”について
 このレポートでは、日本語の「愛」の日本人の認識と、英語の“love”の英語圏の人の認識の間にはずれのある部分が(“ずれ”という表現はよくないかもしれません。異なる部分、あるいは日本語にはない意味といった方がいいかもしれません)あるのではないか、そしてそれはどのようなものかについて調べました。『スーパー・アンカー』には、まさにそれに関することが書かれてあり、非常に助かりました。 
 それは「英語文化のキーワード」というコーナーに次のように書かれています。                                      

(1)   キリスト教でいう愛は「神の人間に対する愛」「人間の神に対する愛」「人間の人間に対する愛」と三大別される。第一は、キリストが人間に代わって十字架上で贖罪(しょくざい)の業を成し遂げて示された神の恵みのことであり、第二は、そのキリストが示された赦免の恵みに信仰を持ってこたえることである。第三は、第二の愛の日常的具体化であり、隣人愛に『代表される(教会は隣人愛の具現の場とされる)。(2)一方、日常的に用いられる loveという語は sexual love(性愛)を連想させることも多い。

この「英語文化のキーワード」というのが『スーパー・アンカー』の大きな特徴であり、今までの辞書にはない大変すぐれた点だと思います。これは日本語に訳されている本来の言葉の意味ではない、その裏に込められている文化的な背景からとらえた意味(たぶん nativeな人しかとらえられないような意味)を説明してくれているコーナーです。特に、私のような文学を専攻している者にとっては、宗教・歴史といった文化的背景を背負っている単語は要注意です。ですから、英語を学ぶ上で、日本人のもっとも弱い部分であり、なおかつ、英語を学ぶ上で、知っておかねば真に理解出来ない部分を的確にとらえ、解説してくださるこのコーナーは本当に有り難いものなのです。
 loveではまず日本人にとって弱いキリスト教でいう愛からの解説をして下さり、それが具体的にはどのようなものであるか、そして隣人愛に至るまで触れて下さっていたので、早速引用させていただきました。

2.“nice”について
 “nice”に関するレポートでは、niceの意味にういてその歴史的変遷から18c末から急速に広まる現在使われている意味での「よい」「すてき」までを調べました。その折り、なぜ「よい」「すてき」の意味が広まったかについて考えていたのですが、これもまた『スーパー・アンカー』からヒントをいただきました。それは次のようなものです。

語法 …(2)goodが一般に質がよいことをいうのに対して、niceは人に与える感じがよいことを表す。

 この「人に与える感じがよいことを表す」という一文で、私はインスピレーションをいただき、自分なりの意見を持つことが出来ました。このような解説がある辞書は、私が調べたかぎり他の辞書にはなく、『スーパー・アンカー』のもつ感性の鋭さを改めて感じました。

3.“nature”について
 このレポートでは“nature”に関することわざを扱いました。日本語では“nature”の訳をたいてい無造作に「自然」と約してしまうのですが、ことわざにおいては、特に「自然」とだけ訳すのではかなり日本人にとって無理があると感じました。そこで“nature”英語としての意味の範囲と、日本語の「自然」の意味の範囲を主にOEDと広辞苑で調べ比べてみました。その時やはり『スーパー・アンカー』に “Nature abhors a vacuum.”のことわざに関しての有り難い解説がありました。次のようなものです。

ことわざ  Nature abhors a vacuum. 自然は真空を忌(い)み嫌う(◆「自然界では不足なものはすぐに埋められる」の意で、妻を亡くした男がすぐに再婚するような場合の自己弁護などにも用いられる。)

 このような堅い訳だけではわかりにくいと思われることわざにはやさしい表現で解説して下さっています。さらに、どのような場合に使われるのかまで示して下さっているので、わたしたち読み手は具体的なイメージをとらえることが出来ます。
 私はその単語や文に具体的なイメージを持つことが出来なければ完全にはその意味がわからず、真に理解することが出来ないので、本当に有り難かったです。このことわざに関してもこのように書いてある辞書は他にありませんでした。

4.“perhaps”について
  “perhaps”に関するレポートでは、ある文学作品におけるperhapsの用法について調べました。“perhaps”の意味の1つである依頼(間接的な)について考えていた時、『スーパー・アンカー』の次のような解説が非常に役に立ちました。

…(2)起こる確率は10中5以下の感じである。

 この一文は、たとえば、『新英和中辞典』の解説である「可能性はあるが確実性はないことを示し、可能性の大小を問題にしない」よりも、私にとっては説得力のある有り難いもので、この一文のおかげで自分なりの解釈をなんとかつかむことが出来ました。

5.その他 
 今回のレポートで使わせていただいたものは、“talent”“gift”など、いずれもキリスト教の影響のある言葉で、日本人にそもそもそれ自体の考え方がない部分もつを言葉です。そのような受け皿のない言葉について『スーパー・アンカー』は、それを前提にしてきっちりと説明して下さっているので、いっそうわれわれ日本人にはわかりやすい気がしました。
 以上が、今回レポートを書く上で『スーパー・アンカー』にお世話になった実例ですが、レポートだけでなく、普段の授業の予習でもどれだけお世話になっているかわかりません(特に翻訳の授業)。というのは、何度も言うようですが、『スーパー・アンカー』は他の辞書では満たしてくれないぶぶんを満たしてくれるからなのです。このように有り難いと、人間、つい欲が出てしまって、もっと語彙の多い『スーパー・アンカー』があったら、などと思ってしまします。でも、そのくらいすばらしい辞書なのです。山岸先生、このような辞書を作って下さり、本当にありがとうございました。『スーパー・アンカー』を使っていると、山岸先生が native しかわからない微妙なニュアンスをなんとか伝えようとして下さるお気持ちがひしひしと伝わってきます。



お願い
私が関係した諸辞典に問題点があれば
どのような些細なものでも結構です、
下記宛てに是非ともお知らせ下さい。
検討の上、必ず善処致します。
山岸勝榮

〒141-8510 東京都品川区西五反田2-11-8
学研教育出版辞典編集室
(03-6431-1605)




横浜市金沢区八景島シーパラダイス付近